月額制のファッションレンタルサービスを解約したにもかかわらず、料金の請求が続く―。こうした相談が全国の消費生活センターなどに寄せられているとして、国民生活センターは8月19日、サービスを提供する事業者の名称などを公表し、消費者に注意を呼びかけた。事業者に問い合わせても回答がなかったり、十分な説明が得られなかったりするケースもあり、同センターは解約手続きの記録を保存するとともに、不審な請求を受けた場合には安易に支払わず、クレジットカード会社などに相談するよう求めている。

問題となっているのは、㈱グラングレスが提供する月額制ファッションレンタルサービス「Rcawaii(アールカワイイ)」。同センターによると、全国の消費生活センターなどには、サービスの解約手続きをした後にも料金の請求が続くといった相談が寄せられている。
相談事例の1つでは、利用者が料金を支払っていたにもかかわらず、事業者から未払いであるとして督促を受けた。不信感を持った利用者はサービスの解約手続きを行ったが、その後、一方的に契約更新の通知が届き、請求が続いたという。また、別の事例では、解約手続きをしたにもかかわらず、クレジットカードへの請求が続いたとする相談もあった。
中には、事業者から「解約完了」の通知を受け取っているにもかかわらず、請求が続いたケースも確認されている。利用者が事業者に問い合わせても回答がなかったり、十分な内容の回答を得られなかったりしているため、利用者側の解約手続きに問題があって契約が継続しているのか、それとも事業者側の事務的なミスによる誤請求なのか、はっきりしない状況だという。
同センターも事業者に対し、文書などによる問い合わせを行った。だが、事業者から回答はなく、解約や返金を求める消費者からの連絡や、各地の消費生活センターなどからの照会についても、十分な対応が行われていないという。
こうした状況を受け、同センターは、今後も消費者被害が発生するおそれがあるとして、同様のトラブルを未然に防ぎ、被害の拡大を防止するため、事業者名やサービス名などを公表することにした。
月額制サービス、いわゆる「サブスクリプション」は、一定の料金を定期的に支払うことで商品やサービスを利用できる仕組み。ファッション分野でも、洋服などを一定期間借りられるサービスが広がっている。一方、契約が継続している間は定期的に料金が発生するため、解約方法や解約が成立する時期を利用者自身が確認しておく必要がある。
同センターは、今回のトラブルを踏まえ、サービスを解約するときには手続きを行ったことが分かる記録を残しておくよう呼びかけている。例えば、解約手続きの画面や完了画面、事業者から届いたメールなどを保存しておけば、後になって請求を受けた際、いつ、どのような方法で解約したのかを確認する資料になる。
また、解約手続きを行った後に事業者から請求を受けても、内容を確認せず安易に支払うことは避け、慎重に対応することが重要だとしている。事業者に問い合わせても回答が得られない場合には、利用したクレジットカード会社や後払い決済サービスの事業者などに事情を説明し、相談する方法もある。
インターネットを利用したサービスでは、契約の申し込みから解約までをウェブサイトやアプリ上で行うことも多い。そのため、店舗での契約とは異なり、解約したことを示す紙の書類が手元に残らない場合がある。後のトラブルに備えるためにも、解約完了を知らせるメールを削除せず保存したり、手続き画面をスクリーンショットで記録したりすることが大切だ。
今回の問題について同センターは、消費者が解約手続きに失敗しているのか、事業者側の事務的なミスによって誤った請求が行われているのかは判然としないとしている。その一方で、事業者から十分な回答が得られず、消費者が請求にどう対応すればよいのか判断できないこと自体も問題点として挙げている。
同センターは、サービスの利用や解約を巡って不安を感じたり、実際にトラブルが生じたりした場合には、一人で判断せず、最寄りの消費生活センターなどへ早めに相談するよう呼びかけている。