2025年度の消費生活相談。SNS広告・住宅トラブルが急増、東京都が概要まとめる

 東京都が7月28日にまとめた2025年度(令和7年度)の消費生活相談概要によると、東京都内の相談件数は14万5,501件と前年度比9.8%増加した。内訳は東京都が受け付けた相談が2万8,293件、区市町村が11万7,208件。契約当事者の年代では「70歳以上」が22.1%で最も多く、職業別では給与生活者が41.4%を占めた。SNS広告をきっかけとしたインターネット通販トラブルや賃貸住宅を巡る相談、不審な電気点検など住宅関連の相談が大きく増加しており、デジタル取引の拡大と住宅を巡る消費者トラブルが顕著となった。

東京都と市区町村で受け付けた消費生活相談件数の推移(東京都公表資料より)

 商品・役務別では、「レンタル・リース・貸借」が1万2,682件で最多となり、前年度比128.3%と大きく増加した。相談内容は賃貸住宅の退去時の修繕費や敷金返還、家賃値上げなど住まいに関するものが目立った。また、「紳士・婦人洋服」は145.8%増と大幅に増え、SNS広告などを通じたインターネット通販で「商品が届かない」「粗悪品が届いた」といった相談が相次いだ。
 相談内容別では「解約一般」が3万9,141件で最多となり、「SNS」に関連する相談は1万1,648件と前年度比123.2%に増加した。
 高齢者(60歳以上)の相談は5万668件で、全体の34.8%を占めた。契約購入金額の平均は約121万円と59歳以下を上回り、高額契約となる傾向が続いている。特に「他の金融関連サービス」は前年度比148.6%と大幅に増加し、「年会費無料だったクレジットカードに手数料請求が来た」といった相談が目立った。
 若年層でも相談は増加している。29歳以下の相談は1万9,008件で前年度比113.4%となり、18・19歳の相談件数は成年年齢引下げ後に増加したまま高止まりしている。若者で最も多かった相談は賃貸住宅で、退去時の高額な原状回復費用などに関する相談が急増したほか、SNS広告を見て注文した衣類が届かない、粗悪品だったといった通販トラブルも増えている。
 インターネット関連では、通販に関する相談が3万8,050件と依然高水準だった。このうちSNSが関係する割合は26.2%となり、前年から3ポイント上昇した。さらに、SNS広告をきっかけに商品を購入したものの届かなかったり粗悪品だったりする相談は3,490件で、前年度比165.0%と急増した。
 特に衣類やバッグ、靴などファッション関連商品が多く、返金を装ってコード決済を操作させ、逆に送金させる新たな詐欺的手口も確認されている。
 一方、定期購入に関する相談は4,921件と依然高水準が続く。化粧品と健康食品で約8割を占め、「初回限定」「1回限り」と思って申し込んだところ定期購入契約だったという相談が後を絶たない。50歳以上が全体の約8割を占めており、中高年層にも被害が広がっている。
 住宅関連では、不審な電気点検をきっかけとしたブレーカー交換の相談が1,483件で前年度比310.3%と激増した。相談者の83.2%が60歳以上で、80歳代が約4割を占める。「定期点検」と思って業者を家に入れた結果、約10万円の交換契約を結ばされたという相談が寄せられている。
 また、太陽光発電や蓄電池では「補助金が受けられる」と勧誘され契約したものの、補助金申請が行われていないなどの相談が1,049件に上り、平均契約金額は約463万円と高額だった。
 賃貸住宅では、家賃値上げに関する相談が1,086件で前年度比210.1%と急増した。「更新前に家賃と駐車場代を約2倍にすると通知された」といった相談が寄せられ、40~50歳代からの相談割合が高かった。
 レスキューサービスを巡るトラブルも深刻だ。鍵の解錠サービスでは「2,200円から」とうたうネット広告を見て依頼したところ、作業後に約10万円を請求されたという相談が増加。トイレ修理でも「格安」を掲げる広告を見て依頼した結果、15万円もの請求を受けたケースが報告されている。いずれも高額請求が目立ち、ネット広告をきっかけとした相談が多数を占めた。
 東京都は、SNS広告やインターネット検索を通じた契約では事業者情報や契約条件を十分確認するとともに、その場で契約を迫られても即決せず、不安を感じた場合は消費生活センターへ相談するよう呼び掛けている。


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