食塩相当量を2重囲みで目立たせる「日本版包装前面栄養表示(FOPNL)ガイドライン」が2月26日に公表され、任意の制度ではあるものの、日本でもようやく1食分当たりの①エネルギー(熱量)②たんぱく質③脂質④炭水化物⑤食塩相当量の5つの栄養成分について、1日の摂取基準値(栄養素等表示基準値)に占める割合が%で表示される仕組みがスタートした。WHO(世界保健機関)がFOPNLガイドラインを公表したのは2019年。日本では栄養成分表示の義務化自体が2020年(全面施行)と大きく遅れ、義務表示対象成分も5成分に限定されている。消費者が日本人の“塩の摂り過ぎ”を自覚し、自ら目で見て気づき、選択できる包装前面栄養表示が広がることが期待される。(相川優子)

2023年11月から「分かりやすい栄養成分表示の取組に関する検討会」(座長:石見佳子・東京農業大学総合研究所参与・客員教授、8人、3回)、2024年7月から「日本版包装前面栄養表示に関する検討会」(同、7回)で検討し、昨年12月の10回目の検討会では、意見募集結果を踏まえて委員が意見交換をし、消費者庁が最終調整をしていた。
意見募集案から大きな変更はない。「本ガイドラインは、食品表示基準に位置付けないガイドラインである」と、行政処分の対象にならない任意の表示であることは表示されていたが、「任意」の言葉を追加し、「本ガイドラインは、食品表示基準に位置付けない任意のガイドラインである」と任意であることを明確に記載した。
寄せられた83件の意見のうち、「任意」の明記を求める意見が7件あったことから、一部委員から追記を求める意見が出ていた。
また、「将来的に、消費者が食品関連事業者等の自主的な取り組みにおける表示を栄養強調表示と誤認する等、混乱が生じる場合は、日本版包装前面栄養表示を食品表示基準に位置付けることや栄養強調表示の取り扱いを整理することなど、規制的な措置の必要性を含め見直しの要否を検討する」とした表記について、一部委員から「規制的な措置の必要性を含め」の削除を求める意見が出ていたが、この表記はそのまま残された。「規制的な表現は、逆に食品事業者の取り組みを萎縮させる」などとして、削除を求める意見が数件寄せられていた。
2024年国民健康・栄養調査(2025年12月2日公表)によると、食塩摂取量の平均値は9.6g(男性10.5g、女性8.9g)で、依然として高く、日本人の食事摂取基準(男性7.5g未満、女性6.5g未満)を大きく上回っている。中でも、男性60~69歳は11.1gもある。
WHO(世界保健機関)は、2021年ガイドラインで1日5g未満を強く推奨し、日本高血圧学会も1日6g未満を推奨している。
消費者庁の堀井奈津子長官は2月26日の定例会見で、「さらなる栄養成分表示の利活用につながるとともに、消費者自身が1日に必要な栄養成分等の量の目安を把握しやすくなるということで、消費者の健康の維持・増進に資することを期待している」と述べている。