乳幼児用ベッドガード・ベビーカー「子供PSC」義務化へ 7月8日から販売規制、NITEが事故防止呼びかけ


 製品評価技術基盤機構(NITE)は6月25日、乳幼児用ベッドガードやベビーカーによる事故を未然に防ぐため、注意喚起を行った。2015年から2026年6月までに、ベッドガードでマットレスの隙間に挟まれて乳幼児が死亡する事故は4件、ベビーカーの転倒などで重傷を負う事故は11件報告されている。2026年7月8日からは、国の安全基準を満たした「子供PSCマーク」の表示がないと販売できない法規制がスタートすることから、NITEは購入時の確認とともに、対象年齢や正しい使い方の徹底を呼びかけている。

子供PSCマーク

 NITEによると、過去約10年間に通知されたベッドガードの死亡事故(4件)は、いずれも取扱説明書などで使用が禁止されている「出生後18カ月未満」の乳児が対象だった。寝返りを打ち始めた乳児がベッドガードとマットレスのわずかな隙間に全身を落とし込み、自力で脱出できずに窒息したとみられている。
 一方、ベビーカーの重傷事故(11件)では、約2㎝の段差を小走りで乗り越えようとして前方に転倒した例や、折りたたまれている本体を開く際に子供が近くにいることに気づかず、手指を挟み込ませてしまった事例などが起きている。
こうした事故を防ぐため、2025年に改正された消費生活用製品安全法に基づき、2026年7月8日から乳幼児用ベッドガードとベビーカーが新たに「子供用特定製品」に指定される。これによって、国の技術基準への適合や警告表示を行い、「子供PSCマーク」を貼付した製品でなければ販売できなくなる。
だが、ベッドガードには1年間、ベビーカーには2年間の経過措置期間が設けられており、期間中はマークのない旧製品も市場に流通する。NITEは「お下がりやプレゼントで譲り受ける機会も多い製品だが、購入・使用の際はマークの有無を確認し、安全性が確保された製品を選んでほしい」としている。

【事故を防ぐための主なポイント】
◇乳幼児用ベッドガード
①18カ月未満には絶対に使用しない‥一般財団法人製品安全協会が定めるSG基準でも、対象年齢は18カ月から60カ月までとされている。寝返りによる窒息リスクが非常に高いため、対象月齢未満の乳幼児は大人用ベッドに寝かせない。
②マットレスとの隙間をなくす‥説明書通りにしっかりと固定し、隙間ができないよう日常的に確認する。隙間をタオルなどで埋める行為も、顔をうずめて窒息する原因になるため避ける。
◇ベビーカー
①シートベルトを必ず着用する‥ちょっとした揺れや段差の衝撃で子供が前に滑り落ちるのを防ぐため、乗せるたびに毎回必ず固定する。
②子供から離れた場所で開閉する‥ベビーカーを開閉する際は、隙間に子供の手指が挟まれないよう、必ず子供から離れた場所で行う。
③段差や溝は慎重に‥路面の側溝や段差を通過する際は、前輪を浮かせるなどして、注意しながらゆっくりと操作する。

【事故事例】
①乳幼児用ベッドガードとマットレスの間で子供が窒息した事故(2020年1月、兵庫県、5カ月男児、死亡)=乳児が乳幼児用ベッドガードとマットレスの隙間に挟まり、死亡した。
使用者が取扱説明書と本体表示で使用が禁止されている出生後18カ月未満の乳児に使用した状態で目を離したため、わずかに広がった乳幼児用ベッドガードとマットレスとの隙間に乳児の全身が落ち込み、自力脱出できずに窒息したものと推定される。
なお、取扱説明書には、「出生後18カ月未満の子供には、絶対に使用しない。重大な事故につながるおそれがある」「使用条件を満たさないベッドでは絶対に使用しない」「ベッドフェンスとマットレスに隙間があると大変危険である」「必ず保護者の監督の下で使用する」などと記載されている。
②ベビーカーで段差につまずき転倒した事故(2020年3月、神奈川県、2歳性別不明、重傷)=当該製品に幼児を乗せて使用中、転倒し、幼児が負傷した。
使用者が当該製品を押して約2㎝の段差を立ち止まらず小走りで乗り越えようとしたため、前輪が段差に突っかかり、ベビーカーが前方に転倒したものと推定される。
なお、取扱説明書には、「無理な段差乗り越えは、前輪に衝撃が加わり、ベビーカーが転倒するおそれがある」「段差を乗り越える場合は、ステップや後脚ステーに足をかけてハンドルを手前に引き、必ず前輪を浮かせて段差を乗り越える」などと記載されている。
③ベビーカーを開くときに子供が指を挟んだ事故(2015年4月、徳島県、1歳女児、重傷)=ベビーカーを開く際に、ベビーカーでこどもが指を挟み重傷を負った。
子供がベビーカーの折りたたみ部に手を掛けていることに気が付かず、ベビーカーを開いたため、子供の指が折りたたみ部に挟まり、さらに挟まった指を無理に引き抜いたために負傷したものと考えられる。
なお、本体と取扱説明書には、「開閉操作は、子供の手指などを挟まないよう、子供が接触した状態では行わない」などと表記されている。

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