神奈川県は7月30日、2025年度(令和7年度)の県内消費生活相談の概要を公表した。それによると、昨年度の神奈川県内の消費生活相談総件数は7万2,383件で、前年度比10.9%増加。このうち苦情相談は6万7,644件で、11.7%増えた。なかでも化粧品などの「定期購入」をめぐる相談が大幅に増加しており、神奈川県はSNS広告をきっかけとした契約トラブルへの注意を呼び掛けている。

商品・サービス別では、「化粧品」が4,236件で最も多く、前年度の2,476件から約1.7倍に増加。相談内容の多くは、「初回だけ購入するつもりだったのに定期購入になっていた」「解約したいが電話がつながらない」といった定期購入に関するものだった。不動産賃借や副業・有料質問サイトなどを含む「その他サービス」が続いたが、化粧品分野の増加が際立つ結果となった。
定期購入に関する相談件数は6,157件で、前年度の4,485件から約1.4倍に増加した。内訳を見ると、化粧品が3,616件と半数以上を占め、前年から約1.8倍に増えている。健康食品も依然として多いが、近年は美容液や化粧品など美容関連商品の相談が急増していることが特徴となっている。
こうした背景には、SNSや動画サイトなどインターネット広告の普及がある。「お試し」「初回限定価格」「定期縛りなし」などの広告表示を見て商品を注文したところ、実際には複数回購入が条件となる定期購入契約だったという相談が多い。さらに、解約しようとしても販売事業者の電話がつながらず、次回商品が発送されてしまうケースも少なくないという。2025年度に寄せられた定期購入相談のうち30.9%はSNS広告がきっかけとなっており、神奈川県は、「SNS広告を見て安易に申し込まないようにしてほしい」と注意を促している。
契約当事者の年代別では、50代が20.3%、60代が25.6%、70代が24.6%を占め、50代以上からの相談が全体の約7割に達した。神奈川県は、定期購入相談の増加が中高年層の相談件数増加につながっていると分析している。
65歳以上の高齢者からの苦情相談も2万2,044件と前年度比9.8%増加した。高齢者の相談でも最も多かったのは化粧品で1,994件となり、前年から約1.9倍に増加。定期購入をめぐるトラブルが高齢者にも広がっている実態が浮かび上がった。また、不審な電話による勧誘や通信サービスの契約変更など、高齢者を狙った相談も増加傾向にある。
神奈川県は、SNS広告などで商品を購入する際は、価格だけでなく契約期間や購入回数の条件、解約方法などを必ず確認するよう呼び掛ける。「今だけ」「初回限定価格」といった購入を急がせる表示に惑わされず、少しでも不審に感じた場合は申し込みを見送ることが重要だとしている。
また、解約方法や事業者の連絡先を事前に確認するとともに、困った場合は早めに消費生活センターへ相談するようアドバイスしている。