食品ロス461万トン、身近な数字に換算。1人3.1万円・おにぎり約203個分、GHGはスギ約9本分

 食品ロスによる経済損失や温室効果ガス(GHG)排出量を消費者に分かりやすく伝えるため、さまざまな身近な指標に置き換えて示した推計結果を消費者庁が公表した。2024年度の食品ロスは461万トンで、これに伴う経済損失は年間約3.8兆円、GHG排出量は約978万トン(二酸化炭素換算、以下同じ)と推計される。これを国民1人当たりや1世帯当たりに換算し、おにぎり、米、森林面積、ガソリンなどと比べた「身近な表現例」を示している。

食品ロスによる経済損失の推計値を、1世帯当たりの水道代などの支出と比較したイメージ(消費者庁資料より)

 消費者庁の報告書によると、食品ロスによる経済損失は国民1人当たり年間3万1097円となる。これを東京都区部の2024年平均の鮭おにぎり(153円、「小売物価統計調査」)に換算すると、約203個分に当たる。手作りおにぎり(約28円/個)では約1093個分、米(5kg、2846円)に換算すると約55kg分となる。
 1世帯当たりの経済損失は年間6万2816円と推計される。世帯当たりの年間家計支出と比較すると、水道代(年間約4万8000円)を上回る。食料への年間平均支出額(89万239円)の約3.7週間分、光熱・水道費(23万749円)の約14.2週間分、自動車用燃料(ガソリンなど、約7万1000円)の約11カ月分に相当する。米(5kg、2846円)に換算すると約22袋分、ガソリン(175円/L)に換算すると約359L分に相当する。
 一方、GHG排出量は合計約978万トンで、1人当たり年間79kg、1世帯当たり年間0.16トンとなる。スギの木1本当たりの年間CO₂吸収量(8.8kg)に換算すると、1人当たりの年間排出量はスギ約9本分に相当する。レジ袋の廃棄では約3689枚分、ガソリンでは約34L、小型自家用車の走行距離では約575km分に当たる。
 食品ロスによるGHG排出量全体を森林のCO₂吸収量で相殺するには約427万haが必要で、東京ドーム約85万個分の面積に相当する。家庭の電気・ガス・灯油に由来する排出量に換算すると約396万世帯分、自動車用燃料に由来する排出量では約949万世帯分に相当する。また、4kWの住宅用太陽光発電1世帯当たりの年間GHG削減量を約2.0トンとして換算すると、約482万世帯が1年間に削減する量に相当する。


 今回の調査では、食品ロス1トン当たりの経済損失を83万円、GHG排出量を2.12トン(二酸化炭素換算)と設定した。地方自治体がこの単位当たりの数値を使えば、地域の食品ロス量から経済損失やGHG排出量を簡易的に算出でき、住民への普及啓発や環境教育に活用できる。
 ただし、これらは全国の食品ロス量を基にした推計値であり、推計には2020年の産業連関表などを用いているため、近年の物価上昇などが十分に反映されていない点には留意が必要だとしている。

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