消費者庁の依頼装い有料調査を勧誘。行政からの協力依頼は事実なし、消費者庁注意呼びかけ

 消費者庁は10月19日、同庁から調査への協力依頼を受けたと偽り、複数の事業者に有料調査を持ちかけるメールが送られていることを確認したとして、注意を呼びかけた。メールでは、消費者庁の担当部署から電話で依頼を受けたと説明し、広告などで「No.1表示」を行っている企業に対し、表示の根拠を早急に整理するよう勧めていた。同庁は、こうした協力依頼を行った事実は一切ないと否定している。


 消費者庁によると、問題のメールは、ある調査会社が複数の事業者に送付していたものだった。件名には「【大至急】【有料調査のご提案】」などの文言が使われ、受信した企業に対応を急がせるような内容となっていた。
 メール本文では、調査会社が消費者庁表示対策課指導係から電話で任意の協力依頼を受けたと説明。その上で、商品やサービスの広告などで「No.1」と表示している企業に順次連絡していると記載していた。
 さらに、企業が現在の表示を継続する場合には、できるだけ早い段階で根拠を整理することを推奨するとして、調査会社への返信を求めていた。行政機関からの依頼を受けているかのように説明することで、有料調査の提案に応じるよう働きかける内容だった。


 「No.1表示」は、商品やサービスについて、売上高や顧客満足度などが他社より優れていることを示す広告表現として用いられる。こうした表示は、企業が自社の商品やサービスの優位性を消費者に訴える際に利用される一方、客観的な根拠の有無が重要となる。
 今回のメールは、そうした表示を行う企業に対し、消費者庁の名称と担当部署を示した上で、表示の根拠を整理する必要性を訴えていた点が特徴。行政機関からの連絡と受け取れば、企業側が対応を急ぐ可能性もある。


 だが消費者庁は、メールに記載されているような任意の協力依頼を調査会社に行った事実はないと説明。また、メールで名前が挙げられた消費者庁表示対策課指導係の業務についても説明している。同係は、事業者がこれから実施する企画に関する事前相談を受け付ける部署で、すでに行われた広告表示について相談を受け付けたり、個別に指摘したりすることはないという。
 このため、調査会社が同係から既存の「No.1表示」に関する協力依頼を受け、企業に連絡しているとするメールの説明は、同庁の実際の業務内容とも一致しない。
 消費者庁は、事業者だけでなく一般消費者に対しても、こうしたメールに注意するよう呼びかけている。

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