【農林水産省 寄稿】前編:食育基本法が大きく変わりました!~食育を「健康増進」の観点に加え、「食料安全保障の確保」にも資するものに強化~

②学校での「農林漁業教育」を新たに規定

 2つ目が、学校等における食育の強化です。まず、学校における食育の中核的な役割を担う「栄養教諭」が明示されました。全国の学校数を栄養教諭の数で割ると、栄養教諭の先生1人で4校以上を受け持っているという現状もあり、条文に「栄養教諭」と位置付けることにより、栄養教諭を中核とした食育の推進、栄養教諭の配置促進や地域間の格差の解消が期待されます。また、学校、保育所等における食育の推進において「農林漁業教育」を規定し、農林漁業体験活動を通じて農林漁業者と交流を図ることや、各教科等の時間における生産現場等に関する指導により農林漁業の生産現場の現状などについて理解と関心が高まり、農林漁業に従事されている方々を食料消費などの日々の生活を通じて支えていこうという意識が醸成されることが期待されます。背景としては、学校現場でも先進的に農業体験を取り入れて非常に成果を上げている地域もあれば、どうしてもそうでもない地域もある、つまり格差が拡大しているという実情があります。
 また、「農林漁業教育」の実施に際しては、忙しい学校の教職員にすべてを任せるのではなく、農林漁業者やその関係団体等の外部人材を活用することも盛り込まれています。これらを推進するために、地方公共団体における教育部局と農政部局との連携の確保についても新たに規定されました。農林漁業者・関係団体、地方公共団体の農政部局による学校現場での食育への積極的な参画が期待されるところです。

後編では、改正の4つのポイントのうち、「③『大人の食育』運動の推進」「④国・地方ともに取組を『見える化』して食育を推進」の2項目について紹介するとともに、第5次食育推進基本計画に基づく今後の食育の取り組みについて解説します。