SNSのチケット転売トラブル。「定価で譲ります」信じて送金。免許証画像でも信用禁物、国セン注意喚起

 コンサートやスポーツ観戦のチケットをSNSなどで購入し、代金を支払ったのにチケットが届かないトラブルが発生している。国民生活センターは10月6日、SNSでの個人間取引や転売仲介サイトの利用をめぐる相談事例を公表し、正規の販売ルートを利用するよう注意を呼びかけた。

SNSでのチケット取引に注意を促すチラシ(国民生活センター作成)



 20代女性は、アイドルグループのコンサートチケットを「定価で譲ります」というSNSの投稿を見つけ、相手にダイレクトメッセージで購入を申し込んだ。何度かやり取りした後、2人分のチケットを約2万円で譲ってもらうことになった。相手から運転免許証の画像が送られてきたため信用し、決済サービスアプリで代金を送金した。送金時にはアプリ上に警告メッセージが表示されたが、気にせず手続きを進めたという。
 ところが、送金後に相手と連絡が取れなくなった。SNS上では、同じ相手からチケットの購入を持ちかけられた人がほかにもおり、複数の被害者がいるようだったという。

 転売仲介サイトを利用しても、必ずしも安全とは限らない。
 50代女性は、野球観戦のチケットを転売仲介サイトで購入した。大人4人分の代金は約50万円。試合当日に会場のゲートで出品者から直接受け取る約束だったが、時間になっても相手は現れなかった。メールで問い合わせると「います」と返信があったものの、約3時間探しても出品者は見つからず、結局観戦できなかった。
 女性は仲介サイトに返金を求めたが、出品者と直接話すよう案内された。その後も出品者との間で、待ち合わせ場所にいたかどうかについて主張が食い違い、解決に至らなかったという。

 国民生活センターは、チケットを購入する際には、興行主催者や正式に販売許可を受けたプレイガイド、ファンクラブ、アーティストの公式サイトなど、正規販売ルートを利用するよう求めている。
 正規ルートで購入すれば、定価で購入できるだけでなく、公演の延期や中止に際して払い戻しなどの補償を受けられる場合もある。

 また、転売仲介サイトを利用する場合は、主催者が転売を禁止していないか事前に確認することが必要だ。転売チケットと判明した場合、会場に入場できないこともある。
 法律上、一定の要件を満たす「特定興行入場券」を利益目的で不正転売すると、1年以下の懲役または100万円以下の罰金、あるいはその両方が科される場合がある。チケットを譲る場合も、主催者などが提供する公式リセールサービスの利用が望ましい。

 人気公演ほど購入を急ぎがちだが、SNS上の相手が本人確認書類の画像を送ってきたとしても、取引の安全性が保証されるわけではない。トラブルに遭った場合は、消費者ホットライン「188」に相談するよう呼びかけている。

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