2025年度上半期9497件。東京都消費生活総合センター、若者相談の特徴・傾向を分析

 東京都消費生活総合センターは2月13日、2025年度上半期(2025年4月~9月)の間に都内の消費生活センターに寄せられた若者(契約当事者が29歳以下)相談について、その特徴と傾向を分析し、公表した。2025年度上半期に寄せられた若者相談は9497件だった。

相談の概要

①相談件数の推移
 2024年度の相談件数は、1万6762件で、前年度(1万6398件)と比べて102.2%(364件増)と増加した。2025年度上半期は、9497件と前年度同期(8037件)と比べて118.2%(1460件増)となっていた。
 若者からの相談件数が相談全体に占める割合は、2024年度は12.6%、2025年度上半期は13.0%と0.4ポイント上昇している。
若者相談の中で、架空・不当請求に関する相談は、2025年度上半期は471件と前年同期(453件)と比べ104.0%(18件増)となっている。


②契約当事者の属性
⑴「性別」「年代別」相談件数の推移
 性別でみると、いずれの年度でも、女性が男性を上回っている。
 また、年代別では20歳以上で相談件数が急増している。2022年4月の成年年齢の引き下げ後も、20歳以上になると相談が増加する傾向は続いている。
⑵「職業別」の割合
 契約当事者は、「給与生活者」が61.3%と最も多く、次いで「学生」の24.9%となっている。「学生」の内訳は、「大学生等その他の学生」が15.1%、「高校生」が2.3%、「中学生」が1.7%となっている。


③商品・役務別
⑴若者相談に多い商品・役務
 2025年度上半期も、退去時の費用トラブルの相談の「賃貸アパート」、脱毛や痩身等の「エステティックサービス」「美容医療」の契約に関するトラブルの相談が上位3位を占めている。
 増加率でみると、第2位「エステティックサービス」の相談が637件で、対前年度同期172.2%(267件増)と大幅に増加している。第14位「スポーツ・健康教室」の相談も、140件で対前年度同期153.8%(49件増)と大幅に増加している。
 「エステティックサービス」の増加の原因は、脱毛エステの一部事業者で破産手続を開始したなどの報道があったことで、解約・返金トラブルの相談などが多く寄せられたことによるものだ。
 「スポーツ・健康教室」では、「ピラティスの無料体験後、月額3万円で月8回まで通える契約をしたが予約がとれず利用できなかった。解約を申し出ると、3カ月縛りのため2カ月分の料金支払いを求められた。入会時にこの説明はなく納得できない」などの相談が寄せられている。
⑵性別
 「男性」は、「インターネットゲーム」「外食」が多く、「女性」は、「エステティックサービス」「スポーツ・健康教室」「他の駆除サービス」が多い。
⑶年代別
 「20歳未満」では、「インターネットゲーム」が非常に多く、「20~24歳」になると、「賃貸アパート」「エステティックサービス」「美容医療」が増加するとともに、「他の内職・副業(アフィリエイト・SNS広告投稿等)」が多くなっている。
 「25~29歳」でも、「賃貸アパート」「エステティックサービス」「美容医療」が多く寄せられている。
⑷若者相談が相談全体に占める割合の大きい商品・役務
 2025年度上半期は、「インターネットゲーム」が61.9%で第1位となっており、高水準が続いている。第2位「エステティックサービス」が56.9%、第3位「他の駆除サービス」も、48.0%と引き続き高くなっている。


④相談内容
 いずれの年代でも、「解約一般」「インターネット通販」「返金」「高価格・料金」「電子広告」が多い。
 特徴的な傾向として、20歳未満で「未成年者契約」「個人情報」「後払い決済」などが目立つ。
 20~24歳では、「家庭訪販」「解約料」、25~29歳では、「クレーム処理」「補償」が他の年代より多くなっている。


⑤販売購入形態
 20歳未満では、インターネット通販等の「通信販売」の割合が57.9%と高く、相談全体の35.1%と大きく上回っている。
 20~24歳では「訪問販売」の割合が14.0%と、相談全体8.8%、20歳未満6.7%、25~29歳8.9%であることと比較して多い。そのほか、「マルチ・マルチまがい」の割合も2.2%と、相談全体0.4%、20歳未満0.2%、25~29歳0.8%であることと比較して多くなっている。


⑥契約購入金額
 20歳未満では「50万円未満」が85.1%を占め、比較的少額の相談が多い。25~29歳では「100万円以上」の高額な相談が12.0%で、相談全体の11.2%より高い割合となっている。
 相談全体は90万円から120万円、若者相談は50万円から70万円の間で推移している。18~19歳相談は、成年年齢が引き下げられた2022年度以降、20万円台に増加している。


⑦支払方法
 相談全体と比較すると、若者相談では、「販売信用(クレジット)」が49.1%で最も多く、中でも、「その他の販売信用」を除くと、「個別信用」が11.6%を占める。
 「その他の販売信用」の大半は「2カ月内払い」である。20歳未満では、「その他の販売信用(433件)」が48.4%と最も多く、若者全体(33.1%)より15.3ポイント高い。これは、インターネットゲームで、未成年者が保護者に無断で保護者のクレジットカードやキャリア決済を利用して高額な課金を行うケースが多いことが原因と考えられる。
 次に、多いのは「即時払等」で41.9%を占めているが、相談全体(46.6%)と比べると、やや少ない。そのほか、前払い式通販や電子マネーなどの「他の前払式」は、若者全体で5.5%と、相談全体の5.9%とほぼ同程度となっている。


⑧若者相談に多い販売方法・商法
⑴相談件数推移
 2025年度上半期の若者相談は、「インターネット通販」が2265件で最も多い。次いで、「未成年者契約」「サイドビジネス商法」が多くなっている。
 前年度同期と比べると、「インターネット通販」と「未成年者契約」は増加している。
 若者相談が、全体に占める割合をみると、「未成年者契約」(93.5%)、「クレ・サラ強要商法」(68.6%)、「アポイントメントセールス」(64.4%)、「キャッチセールス」(47.7%)、「マルチ・マルチまがい商法」(45.9%)、「サイドビジネス商法」(41.3%)の順に多くなっている。
⑵主な商品・役務
 「インターネット通販」では、「インターネットゲーム」「健康食品(ダイエットサプリメント等)」が多い。
 「未成年者契約」では、「インターネットゲーム」が圧倒的に多い。
 「サイドビジネス商法」「クレ・サラ強要商法」では、「他の内職・副業(副業サイト等)」「役務その他サービス(ビジネスコンサルティング等)」「ビジネス教室」等が多い。
 副業を紹介され、紹介料や手数料の名目で高額請求され、支払えず借金させられるケースが多く、両商法に該当している。


⑨相談事例
⑴高額な契約の「美容医療」
 知り合いに紹介されたクリニックで医療脱毛のカウンセリングを受け、2年間で65万円の全身脱毛契約を勧められた。料金が高いので断ったが、長時間にわたって説得され、契約しないと帰れそうもなかったので、やむを得ず契約した。契約書は手元にあるが、まだ一度も施術を受けていない。クーリング・オフできないか。(20歳代男性)
⑵SNS広告からメッセージアプリでつながった「副業サポート」
 SNS広告からメッセージアプリに誘導され、副業サイトにつながり、1000円の情報商材を購入した。情報商材の内容は「スマホ1台でビジネスオーナーになれる」というもので、詳しい説明は次回の電話で聞くことになった。後日電話すると、業者はすぐに有料のビジネスサポート契約について話し始め、断れずに50万円の契約を結ぶことになった。翌日、クーリング・オフの書面を送付したが業者から拒否された。どうしたらよいか。(20歳代女性)
⑶未成年者の「インターネットゲーム」高額課金トラブル
 中学生の息子が、親に無断で息子名義のスマホでゲームをしていた。このスマホには親のクレジットカード情報を登録してあり、約30万円の請求が届き、クレジットカード会社から「不正利用ではないか」と連絡があった。普段はペアレンタルコントロールを設定しているが、先月、一度解除した後に、再設定を忘れ、そのまま使わせていたところ、息子が課金してしまった。ゲーム事業者に返金を求めたが認められなかった。何とか返金してもらえないか。(当事者10歳代男性)
⑷簡単に稼げると言われた「タスク副業」
 SNSを見ていたときに、「撮影したスクリーンショットをSNSに送るだけで報酬がもらえる」というタスク副業の広告が流れてきて興味を持ち、業者のメッセージアプリに登録した。最初は指定された動画のスクリーンショットを送るだけで、数百円が自分の電子決済サービスに入金された。その後も、何回かやりとりをするうちに、高額報酬のタスクとして暗号資産の購入を勧められた。暗号資産購入のための口座開設を指示され、暗号資産を購入すると、対価として自分の電子決済サービスに3割増の金額が振り込まれた。何回目かに50万円の暗号資産の購入を提示され振り込んだところ、業者と連絡が取れなくなった。どうしたらよいか。(20歳代男性)

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