消費者庁は2月5日、「第4回消費生活意識調査」の結果を公表した。同調査は、消費者の意識や行動、消費者トラブルの状況などを把握することを目的に行われているもので、今回は「消費者教育」をテーマに実施された。消費者教育を「受けたことがある」人を対象に、教育を受けた機会について尋ねたところ、「学校(小・中・高校等)の授業」と回答した人の割合が35.2%と最も高く、次いで「職場での研修等」が22.5%、「SNSによる発信・インターネットの動画」が19.2%となった。消費生活で最も基本的な知識となる「契約の成立時期」についての正誤問題では、全体の正答率は33.5%で、昨年度と同様の結果となった。正答率を年代別にみると、15~17歳が47.3%と最も高く、18~19歳が45.6%と続いた。正誤問題は「契約の成立時期」も含めて7項目用意されたが、全問の平均正答率が最も高かったのは60歳代の42.4%、最も低かったのは20歳代の31.7%だった。堀井奈津子消費者庁長官は5日の会見で、今回の調査の結果を「昨年と比較して大きく変わらない」とした上で、「消費者教育を進めていくことが重要で、学校、職場、地域での一層の推進に取り組んでいく」と述べた。(原田恵理)


同調査は、2025年12月18日~12月22日の期間、全国5000人の15歳以上の男女を対象に、インターネットアンケートを用いて実施された。
商品やサービスを購入する際、その内容と価格、引き渡し時期について消費者と事業者双方が合意すれば契約は成立となる。今回のアンケートでは、「契約の成立時期」の正誤問題の選択肢として、①商品を受け取ったとき②代金を支払ったとき③自分と相手が口頭で合意をしたとき―の3つの回答が用意された。正しい答えは③だが、②と誤答した人が最も多く46.0%で、次いで正解の③を選んだ人が33.5%、①と答えた人が20.5%だった。
「店で商品を買った後で使う前に不要になったが、契約は解約できるか」といった設問では、①解約できない②商品を開封していなければいつでも解約できる③レシートがあり、1週間以内の購入なら解約できる―の選択肢が用意され、③と答えた人が72.3%と最も多かった。正解は①だが、実生活で事業者が顧客サービスの一環で返品に応じるケースも少なくないことから、誤答が多い結果となったとみられる。②を選んだ人も11.2%あった。
契約の申し込みや締結後の一定の期間内、無条件で解約ができる「クーリング・オフ」について、「適用される契約をすべて選ぶ」といった問いでは、①ネットショッピングで買ったシャツが似合わないので解約したい②街中で呼び止められて展示場に行き、勧誘されて断れなくて10万円の絵画を買ったが不要なので解約したい③カフェで先輩や知人から「すぐ利益が出る」「人を紹介するとバックマージンが入る」と誘われて、セミナーやスクールに入会契約したが、金銭的な負担がかかるため解約したい④見知らぬ事業者が家に来て「浴室塗装の点検をさせてください。キャンペーンにつき無料で行います」と言われて契約したが、解約したい⑤どの場合もクーリング・オフはできない-の回答が用意された。「②、③、④」の3つを選択すれば正解だが、正しく選択した人の割合は28.0%だった。
消費者契約法が定める取消権についての設問もあった。①就活の学生の不安を知りつつ「このままでは一生成功しない、就活セミナーが必要」と勧誘されたことによる契約②SNSで知り合って連絡し合ううちに好きになり、宝石展示場に誘われていったところ「宝石を買ってくれないと関係を続けられない」と言われたことによる契約③加齢により判断力が著しく低下した消費者の不安を知りつつ、「投資マンションを買わなければ定期収入がないため今のような生活が困難になる」と勧誘されたことによる契約④「私は霊が見える。あなたには悪霊がついていて病気が悪化する。数珠を買わなければ除霊できない」と言われたことによる契約⑤どの場合も取り消せない―の選択肢のうち、「消費者契約法に基づき取り消すことができるものをすべて選ぶ」といった問いでは、③を選んだ人が最も多く66.7%、次いで④が62.9%、①が57.6%、②が54.0%、⑤が15.6%の順だった。「①、②、③、④」の4つを選べば正解だが、正解した人の割合は38.9%だった。
過去1年間に消費者トラブルに遭った人に相談先を聞いた問いで、「地方自治体の消費生活センター・相談窓口」と答えた人の割合は22.9%だった。