化粧品定期購入トラブル急増。神奈川県が注意喚起

 神奈川県はこのほど、化粧品の定期購入トラブルが急増していることから、注意喚起を行った。2025年度は11月末までに2106件の相談が寄せられており、増加傾向にある。50代以上からの相談が83%にも達しており、通信販売はクーリング・オフができないため、「いつでも解約できる」という表記に注意しつつ、スクリーンショットなどを利用して最終画面を保存するなど、トラブルになった際の重要な資料の確保を促がしている。


 定期購入とは、同じ商品を一定の間隔で継続的に購入するサービスのこと。食品や日用品などで広く利用されており、消費者にとっては毎回注文する手間が省ける便利な購入形態となっている一方で、近年は、契約内容や仕組みをめぐり、次のようなトラブルが増加している。

主なトラブル

①「定期縛りなし」「回数縛りなし」という広告を見て、「1回だけ」と思って注文したところ、実際は定期購入の契約だった。
②定期購入だと分かった時点で解約を申し出たところ、「初回のみで解約する場合は、通常価格との差額を支払う必要がある」と言われた。
③「いつでも解約できる」と表示されていても、実際に解約しようとすると、事業者に電話がつながらず、解約の手続ができない。

 神奈川県によると、2025年4月から11月の間に、県内の消費生活相談窓口に寄せられた化粧品の定期購入に関する苦情相談件数は2106件(前年同期1345件。約1.6倍)と、2025年度に入ってから急増している(棒グラフ参照)。
 化粧品の定期購入に関する相談が多い理由として、年代を問わず美容への関心が高いこと、スマートフォンの普及により広告から簡単に商品を購入できる機会が増えたことなどが考えられる。
 なお、相談の契約当事者を年代別に見ると、50歳代が23%、60歳代が28%、70歳代が24%、80歳以上8%などとなっている(円グラフ参照)。

具体的な相談事例

①定期購入の相談事例(「回数縛りなし」だけど定期購入)
◇事例=SNSで「初回限定価格●●円」という化粧品の広告を見て、安いと思い購入した。広告には、「回数縛りなし」と記載があり、定期購入ではないと思っていたが、納品書を見て定期購入の契約だったと分かった。事業者に初回のみで解約すると伝えたところ、「初回のみで解約する場合は、通常価格との差額を請求する」と言われた。差額を支払わずに、解約したい。
◇消費生活センターの対応=インターネット通販において、注文を確定する前に表示される「最終確認画面」には、商品の数量、定期購入の場合は2回目以降の支払い金額、解約方法などの記載が義務付けられていることを説明。「最終確認画面」にこれらの表示がなかったり、内容が分かりにくかった場合には、解約について事業者と話し合うよう助言。後日、相談者から、「初回の金額のみを支払い、無事に解約できた」と報告を受けた。
②定期購入の相談事例(解約ができない)
◇事例=SNSの広告で、「お試し価格〇〇円」と書かれていた化粧品を購入した。商品が届いた後で、それが定期購入の契約だったことに初めて気づいた。契約書には、解約は「次回発送予定日の▲日前までに電話で連絡」という記載があったので、2回目以降は解約したいと思い、何度も電話をしたが、混雑していてつながらず間に合わなかった。できれば、3回目からは解約したい。
◇消費生活センターの対応=日時を変えて、電話をかけてもつながらない場合は、メールや手紙など、方法を変えて連絡するよう助言。後日、相談者が事業者に「解約したい」旨をメールで連絡したところ、「3回目以降の解約に応じる」との返信があり、無事に解約することができたと報告を受けた。

〈定期購入トラブル防止のポイント〉

①通信販売ではクーリング・オフの適用がないため、返品や解約に関しては、事業者が定めるルールに従う必要がある。購入前に契約条件をしっかり確認すること。
②「定期縛りなし」「回数縛りなし」という記載があっても、それが「1回限り」の購入でもOKであることを意味するとは限らない。実際には「最低購入回数の指定がない定期購入契約」を指している場合があるため、注意が必要。
③「いつでも解約できる」と書かれていても、「何度、電話をしてもつながらない」「解約は次回発送日の▲日前まで」といった制限があるなど、思うように解約できないケースがあるため、注文前に解約方法や条件をしっかり確認することが大切。
④契約内容の証拠として、注文確定前の最終確認画面をスクリーンショット(右写真参照)などで保存すること。保存しておくことで、万が一トラブルが発生した場合に重要な資料になる。

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