「お皿1枚でもいい」などと食器や古本、植木鉢などの不用品買い取りで来訪を承諾させ、「金色銀色ならなんでもいい」などと貴金属やアクセサリーを出させて買い取りをしたとして、東北経済産業局と宮城県は2月18日、訪問購入業者「KIS&ecology」(仙台市)に6カ月の業務停止命令を出したと公表した。処分は17日付。東北経済産業局は昨年8月にも電話勧誘と訪問買い取りを連携共同して行なっていた訪問購入業者3社への業務停止命令を出している。(相川優子)
東北経済産業局消費経済課によると、同社は少なくとも2024年11月から2025年4月までの間に、電話で、「お皿1枚でもいいんです」「広辞苑などの辞書はありませんか」「植木鉢はありませんか」などと勧誘し、消費者に来訪を承諾させ、実際には来訪時に「指輪出してください」「どんなネックレス残ってんの」「チェーンでもなんでも、とりあえず金色銀色してればなんでもいいんです」などと、貴金属やアクセサリーなどを出させて買い取っていた。
また、消費者が「本当にないのよ」「ない、ない、ない、ない」と、貴金属を売る意思がないと断っているにもかかわらず、「見落としって人間誰でもあるから、見てみてほしい」「イミテーションも探してみてください」「ボロボロのゴミみたいなものでもいいので」などと執拗に勧誘していた。
今回の行政処分では、①勧誘の要請をしていない者に対する勧誘②勧誘を受ける意思があることを確認せずに勧誘③契約を締結しない旨の意思を表示した者に対する勧誘④書面交付義務違反(記載不備、クーリング・オフとメール等で通知を発出したときに効力を発することを記載していなかった)の4つの違反を認定している。
同社社長の斉藤誠一に6カ月の業務禁止命令を出している。
全国の消費生活センターなどに寄せられた同社への相談件数は、2016年4月以降2025年1月25日登録分で307件。80歳代が40%と最も多く、次いで70歳代26.1%、60歳代15.3%と続く。90歳以上の7.4%を合わせると、60歳以上が82%を占める。女性が81.6%と、高齢女性が大半を占めているのが大きな特徴だ。
特商法では、訪問買い取りの飛び込み勧誘は禁止されており、電話で来訪を承諾した場合でも、承諾した物品以外のものを勧誘することも禁止されている。8日間のクーリング・オフ期間中は買い取られた物品の引き渡しを拒むことができる規制も導入されている。
乱高下はあるものの、ウクライナ情勢の悪化等に伴い、金価格相場だけでなく銀価格相場も急激に高騰している。今後も引き続き、訪問購入規制のわかりやすい周知と監視が求められる。