電気工事でもレスキュー商法の手口が登場した。「東京電力」「電気修理」などで検索すると上位に表示される「生活電気相談センター」と称するサイトで、東京電力関連会社と思わせて停電復旧工事の依頼を受け、分電盤がダメになっていると数十万円の工事をさせた後に、自ら呼んだ東京電力関連会社が外工事で無料の配線工事を行い停電を復旧させるという呆れた手口だ。相談者の平均契約金額は約41万円に上る。消費者庁は2月12日、消費者安全法に基づき、同サイトを運営する「新日本電工」(神奈川県平塚市)の事業者名を公表し、注意を呼びかけている。電柱からの引込線部分は首都圏エリアであれば東京電力パワーグリッドが所有・管理しており、この部分の修理は消費者に費用負担が発生しないことは知っておきたい。(相川優子)

消費者庁によると、停電して困った消費者が、ネット上で「東京電力」「電気修理」で検索し、上位に表示される「電力トラブル総合的にサポート|東京電力」などをクリックすると「生活電気相談センター」のサイトが登場する。そこには「電気のトラブルすべてお任せ」「駆け付け20分」「基本料金3100円、月末まで2000円OFF1100円」「東京電力からの依頼実績も多数!」の表示とともに、東京電力TEPUCOのロゴやマークが大きく表示されている。
0120で始まる無料相談に電話し、停電の復旧工事を依頼すると、作業員が分電盤の点検を行い「ブレーカーが駄目になっている。全部交換しないと駄目」「分電盤の漏電が酷い。ブレーカーの交換が必要」などと告げ、数十万円の工事を了承させ作業を完了させる。
その後、東京電力が外の工事をすると説明。東京電力パワーグリッド(以下「東京電力PG」)が、高所作業可能な車で到着し、電柱から電気を引き込むための工事を行い、「東京電力PG」から自宅のブレーカーを上げるように説明され、自宅のブレーカーを上げると停電が復旧する。
消費者庁が、東京電力PGに確認したところ、この事業者の作業員が、東京電力PGに手配した内容は、消費者宅への引込線またはヒューズの異常の調査で、その停電の原因は引込線またはヒューズの異常で、分電盤の交換は必要なかった。また、電気の引込線部分は、東京電力PGが所有・管理するもので、消費者に復旧のための費用負担はないものだった。
「あんしん電気サポート24h」と称するサイトでも、同じ事業者が作業を行うことが確認されている。
登記簿上、新日本電工は確認されず、同社所在地住所で「ホワイトベース」の称号で登記されている。
このほか、この事業者は東京電力グループと取引の実態はなく、電気工事士の資格を有さない者が作業に従事していた場合があったことも確認された。
消費者庁は、インターネット検索で上位だからといって信用できるわけではないと、注意を呼びかけている。

全国の消費生活センターなどに寄せられた同サイトの相談件数は、2024年12月~2025年10月末までの11カ月間に526件。このうち410件が既払いで、総額は約1億7000万円(平均既払金額約41万円)に上っている。
70歳代の相談が3割を占め、60歳以上で半数を占めているのも大きな特徴だ。
相談内容は、「ネットで探した修理業者を呼んで修理を依頼したら、代金が高額だったので返金してほしい」「大手電力会社、同社関係会社だと思い連絡したら、関係のない業者だった」などがほとんどだった。
特定商取引法では、自ら事業者を呼んだ場合でも、サイトでの表示額と実際の請求額に相当な開きがある場合は、消費者は依頼をした段階では、安価な表示額で契約を締結する程度の意思しか有しておらず、実際に請求された高額な請求額で契約を締結する意思は有していなかったことは明らかで、訪問販売のクーリング・オフの対象になる。消費者ホットライン「188」に相談しよう。
レスキュー商法は、トイレや水回り、鍵から、害虫駆除、ロードサービスに拡大し、今度は電気工事で、点検商法で相談件数が急増していた不要な分電盤工事をさせる手口が登場している。2月24日の段階でも、未だに同サイトはネット検索で上位に表示され、電話番号は変更されているものの、同様の表示が行われている。事業内容が改善されたのか質問しているが回答がない。他にも同様の名称が異なるサイトが複数ある(ホワイトベースが運営事業者と記載されているサイトもある)が、これらは、問題はないのか。消費者庁は、事業者名公表だけで手をこまねいていていいのか。
停電した場合の東京電力パワーグリッドへの問い合わせ電話番号は、0120‐995‐007または03‐6375‐9803(日・祝日・年末年始除く)。緊急の場合は夜間、日曜祝日等も対応される。