背景にSNS普及、都が注意喚起
高齢者のインターネット通販をめぐる消費者被害が目立っている。東京都が都内在住の60歳以上を対象に実施した調査で、被害に遭った人のうち約半数が「インターネット通販」によるものだったことが分かった。背景には、高齢者の間でもスマートフォンやSNSの利用が広がり、ネット通販が身近になっていることがあるとみられる。
都が都内在住の60歳以上2,400人を対象に実施した調査によると、何らかの消費者被害に「あったことがある」と回答した人は7.3%にとどまった。しかし、「被害には至らなかったが問題を感じたことがある」と答えた人は41.5%に上り、高齢者の間で、消費者トラブルが身近なリスクとなっている状況がうかがえる結果となった。
具体的に被害経験のある手口を尋ねたところ、「インターネット通販」が49.3%と最多で、次点の「定期購入」(15.4%)などを大きく上回った。主な事例として「商品が届かず、事業者と連絡が取れなくなった」「実際の商品が広告内容と異なっていた」といったケースが目立っている。
こうしたネット通販被害の増加の背景にあるのが、高齢者のデジタル活用の広がりだ。今回の調査では、対象者の9割以上がスマートフォンを所有していた。また、NTTドコモモバイル社会研究所が今年4月に公表した調査でも、LINEやInstagramなどのSNSを利用している割合は60代で92%、70代でも78%に達しており、高齢者にとってデジタル社会が身近なものになっている。
一方で、トラブルの危機を察知しながらも被害を免れた理由としては、62.9%が「その商法や販売方法を知っていたから」と回答しており、事前の知識が被害防止に有効に働いている状況も確認された。
都の消費生活情報サイト「東京くらしWEB」によると、最近ではSNS広告をきっかけに注文した商品が「代金引換」で届き、代金を支払って受け取った後に中身が偽物や粗悪品だと気づく相談が急増しているという。SNS広告は後から内容を確認することが難しいため、都は不審な点がある場合は購入を控えるよう助言している。また、ネット通販を利用する際は、事前に返品条件などを確認し、購入時の最終確認画面をスクリーンショットなどで保存するよう対策を呼びかけている。