カシューナッツを義務表示対象に追加
消費者庁、個別品目ルールも見直し
消費者庁は4月1日、食品表示基準の一部改正を公表した。今回の改正では、食物アレルギー表示の対象として新たに「カシューナッツ」を義務表示品目に追加したほか、トマト加工品やドレッシング類、ハム・ソーセージ類などを巡る個別品目ごとの表示ルールを見直した。消費者の安全確保と表示制度の整理・適正化を図る。
改正の柱は、カシューナッツの位置付け見直し。従来は「特定原材料に準ずるもの」として任意表示が推奨されていたが、全国実態調査で症例数の増加が確認され、公定検査法の確立にも見通しが立ったことから、表示が義務付けられる「特定原材料」に加えた。これによって、アレルギー表示制度の対象は一段と強化されることになる。
ただ、事業者の表示切り替えに配慮し、経過措置も設けた。カシューナッツの義務表示については、2028年3月31日までに製造、加工または輸入される加工食品などについて、従前の例による表示を認める。容器包装の改版や原材料表示の再点検が必要となるため、食品メーカーや流通事業者には段階的な対応が求められる。
このほか、個別品目ごとの表示ルールについても見直しを行った。消費者庁は、品目ごとに細分化されてきた表示規定について、業界団体や消費者団体、有識者らの議論を踏まえ、必要性や妥当性を検証してきた。今回の改正では、第5条、第10条、第11条、第15条のほか、別表第3、第4、第5、第13、第19、第20、第22、第23に関わる規定を改め、制度の簡素化と整合性の向上を進めた。
対象となる品目には、トマト加工品、乾燥スープ、ドレッシング類、プレスハム、ソーセージ、削りぶしなどが含まれる。これら個別ルールの見直しについては、2030年3月31日まで経過措置を設ける。対象品目を扱う事業者にとっては、比較的長い準備期間が確保された形だが、表示実務の再確認は避けられない。
栄養成分表示では、ノンオイルドレッシングなどに係る脂質の「含まない旨の表示」基準も変更された。改正後は、従来の100g当たり0.5g未満から3g未満へと基準が見直され、実際の商品特性を踏まえた運用に改められた。この点についても、2030年3月31日まで従前の例によることができる。
食品表示を巡っては、消費者にとっての分かりやすさと、事業者にとっての実務負担の均衡が継続的な課題となっている。今回の改正は、アレルギー情報の充実を通じた安全性向上と、個別品目ごとに複雑化していた表示ルールの整理を同時に進める内容であり、今後の表示制度運用の基盤整備として位置付けられそうだ。