通信販売の「定期購入」トラブルが深刻化

取引実態の調査結果を公表、消費者庁

 消費者庁は4月30日、オンラインマーケットプレイス(OM)における特定商取引の実態分析調査の結果をまとめた報告書を公表した。通信販売全体における「定期購入」を巡る相談件数が高水準で推移しており、プラットフォーム運営事業者による適正な取引環境の整備が急務となっている。

 報告書によると、2024年に全国の消費生活センターなどに寄せられた通信販売に関する相談のうち、定期購入に関連するものは2万5972件で、通販相談全体の42.7%を占めている。
 主なトラブルの類型として、以下の実態が浮き彫りになっている。
①意図しない契約の成立=消費者が「1回限りの購入」と誤認して注文したところ、実際には複数回の継続購入が条件となっていたケースが目立つ。
②解約妨害の深刻化=「次回発送の〇日前までに電話」とされていても電話がつながらない、あるいは解約を申し出ても執拗な引き止めに遭うなど、解約を阻害する手口が頻発している。
③低額表示の誘引=「初回実質0円」や「数百円」といった極端な低価格を強調し、詳細な条件を確認しにくいスマートフォン画面等の特性を悪用する傾向が続いている。

 調査では、OM上での商標権・著作権侵害にあたる「偽ブランド品」や「模倣品」の流通についても分析が行われている。
①ブランド権利の侵害=一部の悪質な販売者が、真正品を装って模倣品を販売する行為が後を絶たない。
②販売者情報の不備=特定商取引法で義務付けられている「氏名(名称)、住所、電話番号」を正しく表示していない、あるいは架空の情報を掲載している出品者が散見される。
 今回の実態調査を踏まえ、消費者庁は、オンラインマーケットプレイスを運営する各事業者に対し、取引の適正化に向けたさらなる対策を求めている。具体的には、AIなどを用いた不当な表示のスクリーニング強化や、定期購入における契約内容の最終確認画面の改善、さらには悪質な販売者に対する迅速なアカウント停止措置などの徹底を促す方針だ。
 消費者庁は、「デジタル市場の信頼性確保のため、執行の強化と事業者の自律的な規律の両輪で取り組む」としている。

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