農林水産省は9月、牛トレーサビリティ法に基づき、牛の個体識別番号を不適正に表示した3事業者に相次いで勧告した。9月8日には特定料理を提供したレスト関ヶ原(岐阜県)に、15日には特定牛肉を販売した新開産業(兵庫県)に、16日には特定牛肉を販売したいわて門崎丑(かんざきうし)牧場(岩手県)に、表示を是正するようそれぞれ勧告を行った。
岐阜県のレスト関ヶ原は、自ら経営する「鉄板ダイニング天満」で提供した「フィレステーキ鉄板焼」など3品について、一部で個体識別番号を表示していなかった。東海農政局が4月21日から8月18日まで立入検査などを行い、2025年8月から2026年4月までに、少なくとも57.2kg、632人前を提供していたことを確認した。農水省は、現在提供している特定料理の表示を点検し、原因の究明・分析、再発防止対策の実施などを勧告。10月8日までに講じた措置の報告書を提出するよう求めた。
兵庫県の新開産業は、特定牛肉について、事実と異なる個体識別番号を表示したほか、存在しない番号を表示したり、個体識別番号を表示せず販売したりしていた。農水省によると、事実と異なる番号を表示した牛肉は、少なくとも2024年3月22日から同年10月28日までの間に計829.20kgを外食事業者などに販売。存在しない番号を表示した牛肉は、2023年10月11日から2024年10月25日までの間に計87.60kgを外食事業者などに販売していた。また、個体識別番号を表示しなかった牛肉は、2023年10月2日から2024年10月29日までの間に計6320.37kgを加工製造業者などに販売していた。農水省は10月15日までに、講じた措置について報告書を提出するよう求めている。

岩手県のいわて門崎丑牧場は、原料牛肉として実際には仕入れていない、自社牧場で飼養していた牛の個体識別番号を使用し、事実と異なる番号を表示し、少なくとも2025年1月6日から同年2月24日までに705.8kgを食肉卸売業者などに販売していた。また、存在しない番号を表示して32.3kgを販売したほか、商品名「国内産和牛ロースステーキ」では、実際の番号と異なる番号を表示し、0.15kgを一般消費者に販売していた。農水省は、10月16日までに講じた措置について報告書を提出するよう求めた。
同社は17日、公式サイトにお詫びの文書を掲載した。今回の勧告について「事実を極めて重く受け止めております。今後、行政機関から求められる改善報告書に真摯に対応するとともに、今回の事案の原因を改めて検証し、必要な改善策を講じ、法令遵守を徹底して参ります。」としている。
