後払い・キャリア決済など新ルール検討を。消費者委専門調査会が求める報告書案まとめる

 クレジットカードや後払い決済、キャリア決済など支払手段が多様化する中、消費者委員会の「支払手段の多様化と消費者問題に関する専門調査会」は9月8日、第20回会合を開き、これまでの議論を踏まえた報告書案をまとめた。支払手段ごとに消費者保護の水準に差がある現状を問題視し、業態ではなく、決済事業者が実際に担う「機能」に着目した横断的なルールづくりを求めている。


 背景には急速なキャッシュレス化がある。国内のキャッシュレス決済比率は2025年に58.0%にまで上昇。一方、支払手段を巡る制度は割賦販売法や資金決済法、銀行法など複数の法律に分かれ、規制の対象外となるサービスもある。複数の決済事業者が関係することで、トラブル時に消費者が「誰に相談すればいいのか分からない」といった問題も生じている。
 特に問題となっているのが後払い決済。全国の消費生活センターなどに寄せられた消費生活相談は、2025年度に約6万7000件となり、2021年度の約3倍に増加。商品が届かなかったり、販売契約を解約したりしても、後払い事業者から請求が続くケースもある。
 専門調査会は、支払手段に共通する消費者保護の原則として、①情報提供の充実②悪質加盟店の排除③紛争解決体制の整備と苦情の適切な処理④過剰与信の防止⑤生活基盤サービスの保護―の5つを提示。現在は法令上の登録・届出の対象となっていない事業者についても、決済で果たす役割や重要性に応じて登録・届出制を検討するよう求めた。
 後払い決済については、実態として「与信」の性質を持つことを踏まえ、割賦販売法などを参考に消費者保護制度を検討する必要があると指摘。キャリア決済では、決済代金の未払いが携帯電話など通信サービスの停止につながり、生活に重大な影響を及ぼす可能性があるとして、利用者保護の強化を求めた。
 商品が届かないなど販売契約に問題がある場合に、決済事業者への支払いを拒める「抗弁の接続」や、消費者から異議申し立てがあった際の請求留保についても制度的な検討を促している。
 専門調査会が第20回までの議論で打ち出したのは、クレジットカード、後払い、コード決済といったサービスの名称ではなく、「どのような決済機能を担い、消費者にどのようなリスクを生じさせるか」を基準に責任を考える方向への転換。キャッシュレス決済が生活インフラとなる中、利便性と消費者保護を両立させる具体的な制度設計が今後の焦点となる。

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