ダークパターン実証調査制度整備へ一歩 景表法・特商法との関係整理も課題に

 消費者庁は6月18日、WEBサイト上で消費者を意図しない契約や継続利用へ誘導する「ダークパターン」に関する実証調査結果を公表した。架空の動画配信サービスを使った行動実験では、契約条件や料金表示を分かりにくくした場合、高額プランの選択率が高まる傾向が確認されたほか、解約手続きを複雑にすると解約率が低下することが分かった。調査結果は、オンライン取引における表示規制や消費者保護の在り方を検討する上での基礎資料となりそうだ。

「ダークパターン消費者意識調査」(消費者庁)より。「利用継続」ボタンを赤く目立たせ強調した表示

 ダークパターンは、画面表示やUI(ユーザーインターフェース)を工夫し、消費者を事業者に有利な選択へ誘導する手法のことで、海外では規制の対象として議論が進んでおり、国内でも定期購入やサブスクリプションサービス(サブスク)を中心に相談が寄せられている。
 今回の調査では、消費者の認識だけではなく、実際の契約・解約行動を検証した点も特徴で、消費者庁も、「行動データを用いた国内でも数少ない実証研究」と位置付けている。
 調査では、契約画面で定期購入や追加費用を目立たなく表示した場合、通常の画面よりも高額プランを選択する割合が高くなった。また、解約ページを見つけにくくしたり、利用継続ボタンを強調したりするなど解約を妨げる表示では、解約を完了した割合が低下する傾向が確認された。
 こうした表示手法は、現行法でも内容によっては、景品表示法や特定商取引法との関係が問題となる可能性がある。
 例えば、契約条件や料金を分かりにくく表示して消費者の適切な判断を妨げる表示は、景品表示法上の不当表示との関係が論点となり得る。また、定期購入であることや解約条件を分かりやすく表示しないケースは、通信販売における最終確認画面の表示義務などを定める特定商取引法との関係も意識される。
 その一方で、ダークパターンの問題は、表示内容そのものだけではなく、ボタンの配置や色使い、画面遷移、ポップアップの表示頻度などUI設計全体に及ぶことも特徴。このため、現行法で直接規制できる範囲には限界があるとの指摘もあり、海外ではダークパターンそのものを規制対象とする制度整備が進んでいる。
 消費者庁では、今回の調査は一定の実験条件の下で実施したもので、さらなる検証が必要としている。その一方で、消費者の意思決定が画面設計によって左右されることを客観的に示した意義は大きく、今後の制度検討や事業者への指針策定にも活用されることになりそうだ。


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