
子どもにとっても身近な日用品である水筒や歯ブラシ。使い終わったステンレス製水筒や歯ブラシを回収し、資源として生かす取り組みがあります。使い終わったものが、どのように生まれ変わるのか。その過程を子どもたちに伝える取り組みも行われています。
タイガー魔法瓶は、使い終わったステンレス製ボトルを回収し、再資源化する「RE:ボトル」を2021年10月から実施しています。2026年8月末時点で約32万本相当、約100トンを回収。全国513カ所に回収拠点を設け、30団体と提携して取り組んでいます。
「RE:ボトル」では、自社の水筒だけでなく、他社の水筒も回収しています。回収する水筒を自社製品に限定せず、多くの人が参加できる取り組みにすることを重視しています。同社は、「SDGsやサーキュラーエコノミーのアクションにおいて自社製品限定でのアクションでは、広く世の中の皆様と手を取り合って進めていくアクションにならない」と説明しています。
回収されたボトルは、ボトル本体からステンレス原料、せんからPP樹脂(ポリプロピレン)原料を取り出し、それぞれ再資源化します。
ステンレス原料は新たなステンレス材となり、ステンレス製水筒のほか、スプーンやフォークなどのカトラリー、キッチンシンク、レンジフードのカバー、ネジ・ボルト・ナット類などに利用されています。PP樹脂は樹脂製品として活用され、同社工場で「樹脂製ボックス」として使用されています。
また、再生したPP樹脂でオリジナルチャームを作り、リサイクルに協力した参加者などに配布しています。
リサイクルを「伝える」ことにも力を入れているのです。
自治体と連携して、地域の消費者にリサイクルの取り組みを伝え、回収につなげています。また、イベント会場などに回収ボックスを設置し、来場者にリサイクルの仕組みや意義を紹介したり、小学校で出張授業を行い、子どもたちに環境問題や資源循環について学ぶ場を作ったりしています。

水筒だけでなく、毎日使う歯ブラシもリサイクルされています。ライオンの「ハブラシ・リサイクルプログラム」は、2015年6月に始まりました。2026年5月までの約11年間で約33.5トン、約268万本を回収。現在は、東京都の墨田区、板橋区、台東区、兵庫県明石市、全埼玉私立幼稚園連合会などと連携して取り組んでおり、今後も展開の拡大を図っています。
回収された歯ブラシは再資源化され、プランターや定規、手鏡、ブロックなどに生まれ変わります。
2026年8月には、使用済み歯ブラシなどのリサイクル材を使って、『機動戦士ガンダム』のプラモデル「エコプラ」をつくる「くらしのプラでリサイクル!ガンプラプロジェクト」を、BANDAI SPIRITS、花王、ライオンの3社で始めることを発表しました。
子どもにとって身近な歯ブラシが、新たな製品へと生まれ変わる―。ハブラシリサイクルでは、こうしたリサイクルの仕組みを「伝える」活動も展開しています。
「ハブラシ・リサイクルプログラムを多くの人に伝えよう」をテーマにしたポスターデザインコンテストやイベントへの参加、出張授業などを通じて、リサイクルの仕組みや、使い終わった歯ブラシが新たな製品になることを伝えています。
ステンレス製水筒を回収する「RE:ボトル」と同じく、ハブラシリサイクルで回収する使用済み歯ブラシも、メーカーを問いません。
その理由について同社は、「一般生活者がどこのメーカーの歯ブラシを使っているかという認識はほぼありません」と説明。ライオンの歯ブラシだけを対象にすると、回収することは非常に困難であり、一般の生活者から回収するには「プラスチック製歯ブラシ」など、分かりやすく対象を定義することが重要だとしています。