添加物部会アスパルテーム摂取量調査結果報告

アスパルテーム1人1日摂取量0.37mg

許容1日摂取量に占める割合0.02%

 甘味料のアスパルテームは2023年、国際がん研究機関(IARC)が発がん性を「グループ2B」に分類したことで話題になった。消費者庁は3月11日、食品衛生基準審議会添加物部会で、2024年度に実施したマーケットバスケット方式によるアスパルテームの摂取量調査結果を報告した。1人1日摂取量の推計値は0.37㎎(全年齢層)。体重1㎏当たりの推定1日摂取量は0.006㎎で、ADI(許容1日摂取量)「0~40㎎/㎏体重/日」に占める割合は0.02%だった。消費者庁は「ADIを大きく下回っており、安全性上、特段の問題はない」と説明している。(相川優子)

アスパルテーム 年齢層別推定1日摂取量

「ADIを大きく下回る」「安全上問題なし」消費者庁

IARC発がん性「グループ2B」 JECFA「ADI変更理由ない」

 甘味料のアスパルテームについては2023年7月14日、世界保健機関(WHO)傘下の一機関である国際がん研究機関(IARC)が発がん性を「グループ2B」に分類。FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)は実際に摂取した際の健康への影響を評価し、「1981年の評価の際に設定した許容1日摂取量(ADI)を変更する理由はない」と結論づけた。
  IARCの発がん性のグループ分類は、「1」「2A」「2B」「3」の4つとされる。
 「1」=「ヒトに対して発がん性がある」(ヒトで「発がん性の十分な証拠」がある場合または実験動物で「発がん性の十分な証拠」があり、かつ、ヒトにおいて発がん性物質としての主要な特性を示す有力な証拠がある場合)。
 「2A」=「おそらくヒトに対して発がん性がある」(①ヒトで「発がん性の限定的な証拠」がある②実験動物で発がん性の十分な証拠」がある③発がん性物質としての主要な特性を示す有力な証拠がある―のうち少なくとも2つに該当する場合)。
 「2B」=「ヒトに対して発がん性がある可能性がある」(上記①~③のうち1つに該当する場合)。
 「3」=「ヒトに対する発がん性について分類できない」(上記①~③のいずれにも該当しない場合)とされている。
 IARC(国際がん研究機関)は、アスパルテームを「グループ2B」に分類した理由に、①ヒトにおけるがん(特に、肝がんの一種である肝細胞がん)に関する証拠が限られていること、②実験動物における発がん性に関する証拠が限られていること、③がんを引き起こす可能性のあるメカニズムに関する証拠が限られていること、を挙げている。
 JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)は、動物とヒト研究における発がんリスクに関する根拠を検討した結果、ヒトにおける発がん性との関連を示す根拠には説得力がないとして、「0~40㎎/㎏体重/日」のADIを変更する十分な理由はないと結論づけている。この範囲内であれば安全であることを再確認したとしている。
 日本では1983年、厚生省(当時)がアスパルテームを食品添加物に指定しており、その際、JECFAが設定していたADI(40mg/kg体重/日)を採用している。


年代別推計でも ADR大きく下回る

 同日、2024年度のマーケットバスケット方式による摂取量調査による食品添加物甘味料(アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリン、スクラロース、ステビア抽出物など)の1人1日摂取量の推計値が報告された。
国立医薬品食品衛生研究所など全国6機関が加工食品を購入し、加工食品群7群(嗜好飲料・調味料、穀類、いも類・豆類・種実類、魚介類・肉類・卵類、乳類・油脂類、砂糖類・菓子類、果実類・野菜類・海藻類)それぞれについて20歳以上の喫食組成に基づいて混合した試料を調製。混合群試料ごとの含有量を測定し、各加工食品群の各年齢層の喫食量を乗じ、1日摂取量を算出した。
 その結果、アスパルテームの年代別の1人1日摂取量の推計値は、1~6歳0.22㎎、7~14歳0.30㎎、15~19歳0.31㎎、20歳以上0.37㎎、全年齢層0.37㎎。対ADI(0~40㎎/㎏体重/日)比は、それぞれ、0.03、0.02、0.01、0.02、0.02だった(表参照)。全年齢層の1日摂取量の内訳を加工食品群で見ると、嗜好飲料・調味料が0.2㎎、果実類・野菜類・海藻類が0.14㎎、乳類・油脂類が0.03㎎だった。
 2023年に同部会で報告された2019年度調査結果では、アスパルテーム全年齢層の推定1日摂取量は0.05㎎。対ADI比(0~40㎎/㎏体重/日)は0.002だった。
 1人1日摂取量の推計値は、スクラロースが最も多く1㎎あったが、対ADI(1~15㎎/㎏体重/日)比は0.12だった。
 このほか、ステビア抽出物の1人1日摂取量の推計値は0.4㎎で、対ADI(1~4㎎/㎏体重/日)比は0.18。アセスルファムカリウムは0.78㎎で、対ADI(1~15㎎/㎏体重/日)比は0.09。サッカリンは0.02㎎で、対ADI(1~15㎎/㎏体重/日)比は0.008だった。
 消費者庁は、「甘味料の推定1日摂取量は、いずれもADIを大きく下回っていた」と報告。「どの年齢層においてもADIを大きく下回っており、これらの添加物については安全性上、特段の問題はない」と説明している。

続きを読むには会員登録が必要です

ニュース記事の全文をお読みいただくには、会員登録(購読申込)が必要です。