全国どこでも分けて出せる等

家庭からの衣類資源化に向けて、環境省

 環境省は3月18日、「持続可能で循環型であるファッションに関する検討会」を開催した。同検討会は、サステナブルファッションの重要性が国際的に広がりを見せていることを受けて、わが国の循環型ファッションの推進と衣類の廃棄量削減に向けた方向性を幅広く議論するもの。家庭から廃棄される衣類の量を2030年までに2020年度比で25%削減することを目指し、それに向けて2026年度末までに「循環型ファッションの推進に向けたアクションプラン」を策定することを目的としている。第3回目となる今回は、同省からアクションプランの案が提出された。プランの方向性として、①全国どこでも分けて出せる②使えるものは譲る③使えるものは長く使う-の3つを示し、その施策に①には「衣類の回収システム・受け皿の整備」を、②には「リユースの拡大」を、③には「稼働率向上・寿命延命の取り組み拡大」を挙げた。(原田恵理)

会議の様子画像
持続可能で循環型であるファッションに関する検討会

 繊維製品は、原料調達・製造・利用・廃棄の過程で多くの温室効果ガスを排出し、化学物質の使用や水資源の消費、合成繊維由来のマイクロプラスチックの海洋流出など、多大な環境負荷をもたらすことが指摘されている。
 わが国では、第5次循環型社会形成推進基本計画(2024年)で循環経済(サーキュラーエコノミー)を国家戦略に据え、同年に「繊維製品における資源循環ロードマップ」を策定し、「2030年度時点で、家庭から手放される衣料品のうち、廃棄されるものを2020年度比で25%削減する」等の政府目標を掲げた。
 この、家庭からの衣類廃棄量の削減目標の具体的な取り組みを示すものが、「サステナブルファッションの推進に向けたアクションプラン」だ。同プランの方向性には、家庭からの削減目標のほか、産業界とともに適量生産・適量購入に転換し、リペア等による長寿命化の促進、適正なリユース・リサイクルのための回収、分別、設計・製造、販売における資源循環システムの構築に向けた必要な措置を講じるなど、「サステナブルファッション」実現に向けた取り組みを行うことが盛り込まれる。特に消費者に向けては、削減目標を達成するために、手軽に衣類を回収に出しやすい環境づくり、回収した衣類を適切に循環させるシステム構築を通じて、循環型ファッションをさらに推進するとしている。
 削減目標達成に向けた国のアクション(案)として、①については、「行政回収による衣類資源の質・量の向上」を挙げる。「衣類等の行政回収ガイドライン」を策定し、内容について情報発信するとともに、「市町村の一般廃棄物処理事業3R化に関するガイドライン」に組み込み、着実な地域実装を推進する。
 また、行政回収のコスト低減に向けた支援として、効率的な行政回収の検討のための実証支援や、各自治体で排出されている廃棄物量等を踏まえた対策を行うための技術的助言などを行う。
 消費者に向けては、民間回収の拠点を増加することで、「衣類は資源」と実感する機会を創出する。衣類を資源として出そうと思った際に、「どこに持ち込めばいいのか分からない」といったことが生じないよう、リユースショップなども含めた近隣の回収拠点が一目でわかるようなマップを作成する。
 使用しない服を家に退蔵させないための②では、国として、適正なリユース市場の創出に向けた優良事業者のガイドラインを作成する。自治体に期待されることとしては、地域での交換イベントや交換掲示板などを活用し、リユース衣類とそれを必要とする消費者とのマッチング(制服・子供服など)等を挙げている。消費者に向けては、フリマアプリやリユースショップ、親族や友人等への譲渡によるリユースを呼びかける。
 手元にある衣類を長く大切に使うことを目指す③について国が行うアクションは、サステナブルファッションに関心の高い繊維・アパレル関係企業、業界団体などと連携し、主に若年層の行動変容を狙ってキャンペーンを実施する。若年層に加えて、30代以上の女性層も行動変容が期待されるとして、サステナブルファッションを「自分ごと化」できるよう情報発信を工夫する。
 委員からは、「長く大切にする」というメッセージについて、「家に長く置きっぱなしにすることと区別しにくい」「使わずため込むのでは意味がない」「所有する服の数を減らし使用頻度を高めることが大切」といった指摘があった。ターゲットとする世代については「どの世代にも分かることが重要」という意見が出た。「文科省と組んで中・高での授業に取り入れるべき」や「若年層に向けては、衣類が大量廃棄される現場見学なども必要」といった、学校教育での対応を望む声も聞かれた。

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