消費者庁と農水省、食品寄付の信頼性向上へ新たな仕組み
消費者庁は、食品寄付の適正な管理体制を備えたフードバンクを認証する「フードバンク認証制度」を4月1日から開始した。農林水産省と連携し、食品寄付先の信頼性を高めることで、企業や団体からの寄付を後押しし、食品ロス削減につなげるのが狙い。制度は、「食品寄付ガイドライン」に示された順守事項への適合性を第三者が評価する仕組みで、消費者庁は社会的信頼の向上を通じて、フードバンクへの食品寄付量の増加を目指す。
制度は2段階で運用される。まず、活動実態のあるフードバンクを申請に基づいてリストに掲載し、公表。次に、そのリストに掲載された団体の申請を受け、食品寄付ガイドラインに沿った運営が行われているかを審査し、基準を満たした団体を認証する。認証に当たっては、現在の食品取扱量は要件とされておらず、規模ではなく、管理責任を果たせる体制の有無が重視される。
認証取得を目指すフードバンクには、事前に農林水産省の「フードバンクオープンリスト」への掲載と、電子申請に必要なGビズIDの取得が求められる。申請は随時受け付け、書面審査を通過した団体には現地確認を実施。これらを経て適合と認められた団体に認証証が交付される。認証後はロゴマークの使用も可能となり、対外的な信頼性の可視化につながる。
制度の背景には、食品寄付をめぐる安全性や管理体制への不安を軽減し、寄付する側が安心して提供先を選べる環境を整える狙いがある。消費者庁は、大口の寄付を行う食品寄付者が安心して食品寄付できる環境を醸成するものであり、小規模フードバンクの活動を妨げるものではないとしている。むしろ、認証制度を通じて食品寄付全体を底上げし、食品ロス削減と生活困窮者支援の両立を進めたい考えだ。
消費者庁と農林水産省が進める今回の制度は、未利用食品を必要とする人々へ円滑につなぐ流れを強化する新たな基盤となる。制度の定着によって、寄付の量だけでなく、寄付の質や継続性も問われる時代に入ったといえそうだ。