悪質商法対策PTの早期開催を要求、福岡県弁護士会
福岡県弁護士会は5月7日、消費者庁が設置した「多数の消費者に深刻な財産被害を及ぼす詐欺的な悪質商法対策プロジェクトチーム(PT)」について、設置後に一度も開催されていないとして、早期開催と具体的な制度整備を求める会長声明を発表した。声明では、詐欺的な投資商法などによる被害が後を絶たない現状を踏まえ、行政による被害回復制度の導入が急務だと訴えている。
消費者庁は2025年11月19日付で同PTを設置したが、その後は会合が開かれず、具体的な検討が進んでいないと、会長声明で指摘。弁護士会は、被害が表面化した時点では既に資産が散逸している事例が多く、被害回復には事業の早期停止と資産確保の仕組みが欠かせないとしている。
背景には、実態の乏しい投資話を掲げ、集めた資金をそのまま配当に回すような破綻必至の商法が相次いでいることがある。こうした手口は、見かけ上の配当が続く間は被害が表面化しにくく、被害の発覚時には個々の損害額も総額も巨額に膨らむ傾向があるという。
会長声明では、2009年制定の消費者庁および消費者委員会設置法の付則で、多数の消費者被害を生じさせた事業者の不当収益の剥奪や、被害者救済の制度検討が政府に求められていた点にも言及。これを受けて消費者庁は2013年、「行政による経済的不利益賦課制度及び財産の隠匿・散逸防止策について」とする報告書を取りまとめたものの、その後の具体化は十分ではなかったとしている。
また、近年の具体例として、2018年に表面化したジャパンライフ事件やケフィア事業振興会事件、さらに福岡県内で野菜販売を装った出資事件などを挙げ、悪質商法による深刻な財産被害が今も続いていると強調。その上で福岡県弁護士会は、消費者庁に対し、対策PTを早急に開催し、行政庁による破産申立制度などを含む被害回復制度の導入に向けた検討を進めるよう要請している。
会長声明は、悪質商法による被害の拡大防止と、被害者救済を実効的に進めるためには、民事手続だけに頼らない新たな行政的手法が必要だとしている。