パーソナルジムで骨折などケガ相次ぐ、7年で196件

「無理」と伝えても「大丈夫」と続行、トレーナーの資格義務なく安全基準にバラつき

消費者安全調査委、経産相などに再発防止を意見具申

 近年、社会で広く普及している「パーソナルトレーニング」で、骨折などの重大なケガを負う事故が相次いでいることから、消費者安全調査委員会(消費者事故調)は5月27日、これらの事故原因を分析した調査報告書を公表し、トレーナーの知識不足や安全管理基準の欠如が背景にあるとして、経済産業大臣や消費者庁長官などに再発防止策を講じるよう意見を述べた。


 報告書によると、2019年1月から2025年12月までの7年間で、事故情報データバンクに登録された事故は、計196件。2022年以降は毎年30件以上で、2025年には44件と増加傾向にある。ケガの程度は、「治療に1カ月以上」を要する重傷が41%(81件)と最も多く、部位別では「腰・股関節」が30%(59件)、「膝・足(下半身)」が22%(44件)と、下半身の被害が過半数を占めた。
 事故事例では、指導側の行き過ぎた負荷や不適切な対応が浮き彫りとなっている。
◇60代の事例‥スクワット中に腰椎を圧迫骨折(治療1カ月以上)
◇30代の事例‥ふくらはぎの違和感をトレーナーに伝えたが「頑張るよう」言われて運動を続けた結果、右下腿三頭筋を損傷(治療1カ月以上) 
 利用者が「限界です」「無理」などと伝えたにもかかわらず、トレーナーが「ここを乗り越えないといけない」「大丈夫」と根性論で運動を続けさせ、ケガに至ったケースも見受けられる。
 消費者へのアンケートでも、指導を「無理だと感じた」人のうち16%が「がまんして続けた」と回答している。
 市場が数百万人規模へと拡大する一方で、現行法令上、パーソナルトレーナーを名乗るための国家資格は必要とされていない。日本の民間資格や海外資格を持つ者、あるいは無資格の者などが混在しており、安全指導のノウハウが業界横断的に標準化されていないのが実態だ。
 トレーナーへの調査では、22%が「業務フロー(カウンセリングや日常管理)がない」と答え、44%が「後で振り返ると負荷をかけすぎたと思うことがあった」と振り返っている。

 消費者事故調は、事故の直接原因を「個人の能力に見合わない不適切な運動プログラムの実施」と指摘。再発防止策として、複数の業界団体が連携してトレーナー向けの安全基準やヒューマンエラー防止の手順を体系化するよう求めた。また、消費者に対しても、「不安や痛みを感じたら、いったん運動を止める」「過去のケガを事前に伝える」といった自衛策を周知するよう、関係省庁に求めている。

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