消費者庁調査、制度の正解率は2割強に低迷
「国内製造=国産小麦」と半数以上が勘違い、複雑な仕組みに「ややこしい」の声も
消費者庁は5月29日、加工食品の原料原産地表示制度に関する最新の「理解度調査報告書」を公表した。全国の消費者5158人を対象に実施したアンケートによると、多くの消費者が加工食品を購入する際に原産地表示を参考にしている一方で、制度の具体的なルールに関する正解率は著しく低く、制度の形骸化や消費者の誤認が浮き彫りとなった。
調査によると、加工食品を購入する際に、「原料原産地名」の表示を、「いつも」または「ときどき」参考にしていると答えた人は64.8%に上り、食の安全や産地に対する消費者の関心の高さがうかがえる。ただ、その理解度は伴っていない実態が浮き彫りとなった。
制度の基本である「原産地表示が必要となる対象の加工食品」について、正しく「国内で製造された全ての加工食品」と答えた人は、全体でわずか22.7%。約半数(49.5%)の人が「輸入品を含む、国内で流通している全ての加工食品」と誤って回答しており、海外で製造・梱包されてそのまま輸入される食品(輸入品)には国内の表示基準による原料原産地表示義務がないという仕組みが十分に浸透していないことが分かった。
特に、消費者の誤認が顕著だったのは、お菓子などのパッケージでよく目にする「国内製造」という表現。「小麦粉(国内製造)」という表記が表す正しい意味(=小麦の産地は問わないが、日本国内で製粉された小麦粉である)を正しく回答できた人は58.9%だった。その一方で、17.5%の人が「使用されている小麦も国産である」と回答した。
さらに、原材料の調達状況によって表記が変わる「又は表示」や、複数の国をまとめる「大括り表示(輸入、など)」といった特例表示の理解度では、普段から表示を「参考にしている層」であっても正解率が伸び悩む傾向が見られた。
自由回答欄では、消費者から「漠然と理解していたものが分かった」「今後参考にしたい」といった前向きな意見が寄せられた一方で、「表示方法が多岐にわたり、一言でいうとややこしい」「実際の店舗で確認したときに正確に思い出せるか分からない」といった、複雑な仕組みに対する改善要望や戸惑いの声が相次いだ。
同制度を巡っては、2017年の食品表示基準改正に際し、消費者委員会から経過措置終了後の理解度調査とそれに基づく制度のあり方の検討が求められていた。2024年の前回調査でも、「理解度は依然として低い」と指摘されており、今回の見直し調査でも実態の深刻さが改めて裏付けられた形となった。消費者庁には、より直感的で分かりやすい表示方法への見直しや、店舗での啓発など、実効性のある普及・認知向上策が強く求められそうだ。