【絵本紹介】干し芋の残渣問題を、やさしい言葉と絵で子どもたちに

さつまいもそのものの素朴な甘みを楽しめる「干し芋」。長く親しまれてきた日本の食べ物ですが、その製造過程には、あまり知られていない課題があります。
干し芋を作る際、さつまいもの皮や先端部分などが削り取られます。その削り取られる部分は、さつまいも全体の約40%。「残渣(ざんさ)」となった削り取られた部分は、腐敗するとにおいが発生したり、虫が発生したりするため、地域ではその処理が課題となってきました。
大量に出る干し芋の残渣ですが、実はおいしく食べることができます。これを食品ロスの問題として、子どもたちに知ってもらおうと、干し芋の残渣をキャラクターにした絵本「はしっぽちゃんはたからもの―ちいさなぼうけん」が作られました。手掛けたのは、干し芋の生産が盛んな茨城県の茨城大学で、学生と教員らを中心に取り組む「干し芋の残渣削減プロジェクト(HZP)」です。

絵本の主人公は「はしっぽちゃん」

絵本「はしっぽちゃんはたからもの―ちいさなぼうけん」

絵本の主人公は「はしっぽちゃん」。干し芋を作る際に出る残渣(はしっぽ)に魔法使いが魔法をかけたことで、さつまいも色の耳と尻尾を持つ姿で生まれました。
はじめは、干し芋になれなかった自分は幸せになれないかもしれないと悲しみ、自分に自信を持てなかった「はしっぽちゃん」。友達と出会い、困っている人を助ける中で、捨てられていた「はしっぽ」にも、甘くておいしい魅力があることに気づいていきます。
自分の価値に気づいたはしっぽちゃんは、自分のことが「好き」になります。そして、「幸せ」と感じられるようになります。
絵本には、はしっぽちゃんのほかにも、ハチワレねこや長老ねこ、パン屋さんなど、子どもたちが親しみやすいキャラクターが登場し、温かい言葉ではしっぽちゃんを勇気づけます。イラストレーターのたんのみゆきさんが描く柔らかいタッチの絵が、物語全体を優しい雰囲気に包みます。

絵本のお菓子などが商品化されている

食品ロスや環境問題について考えるきっかけとなる絵本「はしっぽちゃんはたからもの―ちいさなぼうけん」。はしっぽちゃんや登場人物の気持ちを通して、「本当は価値があるのに捨てられてしまうもの」に目を向け、その価値について考えることができます。
物語の中では、さつまいもの残渣(はしっぽ)を活用した「はしっぽかりんとう」や「はしっぽモンブラン」、「はしっぽソーセージ」なども登場します。
これらは絵本の中だけのものではありません。HZPでは、企業と連携して、さつまいもの残渣(はしっぽ)を活用した商品の開発に取り組み、実際に商品化しています。

※絵本に登場する「はしっぽちゃん」の「はしっぽ」は、HZPが考えた言葉です。さつまいもの残渣を、より親しみやすく感じてもらえるように名付けられました。

【絵本情報】
「はしっぽちゃんはたからもの―ちいさなぼうけん」
企画・文:干し芋の残渣削減プロジェクト(HZP)
絵:たんの みゆき
定価(本体2500円+税)

【絵本の購入に関する問い合わせ】
干し芋の残渣削減プロジェクト(HZP)」
https://sites.google.com/view/hoshiimozansa-sakugen-project/top


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