2026年熊本地震の被災者を狙った悪質商法などの発生が懸念されるとして、消費者庁は被災者に注意を呼びかけている。大規模災害の後には、混乱や不安につけ込み、義援金や寄付金をだまし取ったり、身に覚えのない料金を請求したりするトラブルが発生する傾向がある。同庁は、不審な勧誘や請求を受けた場合には安易に相手へ連絡せず、消費者ホットライン「188」などに相談するよう求めている。

消費者庁が特に注意を促しているのが、行政機関の職員などを名乗る義援金・寄付金詐欺。被災者を支援したいという善意につけ込み、もっともらしい肩書や説明を使って金銭を要求する手口が想定される。行政機関などを名乗った場合でも、すぐに送金せず、相手の身元や寄付先を確認することが重要になる。
架空請求にも警戒が必要。消費者庁は、「架空請求と思われるメール」や「訴訟をすると不安をあおる封書」などが届いても、身に覚えがなければ記載された連絡先へ連絡しないよう呼びかけている。突然「訴訟」「未払い」などの言葉を示されれば、被災生活の中では冷静な判断が難しくなる可能性もある。警察への相談には、警察相談専用電話「#9110」を利用できる。
被災住宅の修理を巡るトラブルにも注意が求められる。地震によって屋根や外壁などが損傷すると、早急な補修が必要になる一方、どの業者に依頼すればよいのか分からない被災者も少なくない。災害後はこうした状況につけ込んだ住宅修理などの契約トラブルが問題となることがある。
消費者庁は、被災住宅の補修に関する相談先として専用ダイヤル「0120-330-712」を案内している。また、被災住宅の補修工事に対応できる近隣の事業者を探す際には、国土交通省の住宅リフォーム事業者団体登録制度の登録団体や住宅関係団体に所属する事業者などを検索できる「住まい再建事業者検索サイト」を利用できるとしている。
住宅の損害について保険を利用する場合は、契約している保険会社や代理店に直接相談することも重要。消費者庁は、日本損害保険協会や外国損害保険協会の会員会社の連絡先を案内している。
災害で保険証券などを失い、自分がどの損害保険会社と契約しているのか分からなくなった被災者については、災害救助法が適用された地域に限り、契約先を照会できる窓口も設けられている。日本損害保険協会の「自然災害等損保契約照会センター」は「0120-501331」、外国損害保険協会の同センターは「03-5425-7850」で相談を受け付ける。
大規模災害の発生後は、住宅の復旧や生活再建、保険手続きなど、被災者が短期間に多くの判断を迫られる。そこに「今すぐ契約しなければならない」「行政から依頼された」「すぐに支払わないと大変なことになる」といった言葉で不安をあおられると、十分に確認しないまま契約や送金をしてしまう危険性が高まる。
消費者庁は、不審な勧誘や請求を受けたり、契約について不安を感じたりした場合には、一人で判断せず、局番なしの消費者ホットライン「188」に相談するよう呼びかけている。被災者の不安につけ込む悪質商法を防ぐには、相手の説明をうのみにせず、行政や公的な相談窓口などを通じて情報を確認することが重要だ。