65歳以上の高齢者が契約当事者となった消費生活相談が、2025年度に全国で33万497件に上ったことが、国民生活センターのまとめで分かった。前年度から約2万5800件増加し、消費生活相談全体に占める65歳以上の割合は37.7%となった。高齢になるほど訪問販売や電話勧誘販売などに関する相談の割合が高くなる傾向もみられ、同センターは本人だけでなく、家族や周囲の人による見守りを呼びかけている。

商品・サービス別では、不審な電話や身に覚えのない請求などを含む「商品一般」に関する相談が多かった。このほか、「化粧品」「健康食品」「医薬品類」なども上位となった。インターネット通販などで商品を購入したところ、意図せず定期購入になっていたといったトラブルもみられる。
販売購入形態別にみると、「通信販売」の割合は65~69歳で最も高く、その後は年齢が上がるにつれて低下。これに対し、自宅などを訪れて商品やサービスを勧める「訪問販売」や、電話で契約を勧める「電話勧誘販売」、業者が消費者宅を訪問して物品を買い取る「訪問購入」は、年齢が上がるほど割合が高くなる傾向が確認されている。
特に85歳以上では「訪問販売」の割合が「通信販売」を上回った。比較的若い高齢者ではインターネット通販などを利用した際のトラブルが目立つ一方、年齢が上がると自宅への訪問や電話をきっかけとしたトラブルへの注意がより重要になることを示している。
契約金額も小さくない。65歳以上の相談で、金額が確認できたケースの平均契約購入金額は約73万円、実際に支払った平均金額は約51万円だった。高額な契約を巡る相談もあり、被害を未然に防ぐためには早い段階で異変に気付くことが重要となる。
また、高齢者の消費者トラブルでは、本人が問題を認識していなかったり、被害に遭ったことを周囲に相談しなかったりする場合もある。そのため、家族や近隣住民、介護・福祉関係者など、日ごろから高齢者と接する人たちによる見守りも重要になる。
「見慣れない商品が大量に届いている」「急に高額な支払いをするようになった」「知らない業者が頻繁に自宅を訪れている」といった変化は、消費者トラブルに巻き込まれている兆候の可能性もある。周囲の人が普段と違う様子に気付いた場合には、本人に事情を確認し、必要に応じて消費生活センターなどにつなぐことが求められる。
国民生活センターは、高齢者本人に対し、不要な勧誘を受けた場合にはきっぱり断り、その場ですぐに契約しないよう注意を促している。家族など周囲の人にも、日頃から高齢者の生活の変化に目を配るよう呼びかけている。