東京都内の消費生活センターなどに2025年度(令和7年度)に寄せられた相談は14万5501件となり、前年度から1万2959件、9.8%増加したことが、東京都消費生活総合センターのまとめで分かった。年間の相談件数が14万件を超えるのは2007年度以来となる。賃貸アパートの家賃値上げや、不審な電気点検をきっかけとしたブレーカー交換など、身近な生活に関わるトラブルの増加が目立った。
相談のうち、東京都が受け付けたものは2万8293件で全体の19.4%、区市町村の受付分は11万7208件で80.6%を占めた。相談内容では「苦情」が13万5201件と全体の92.9%を占め、相談方法は電話が90.8%と大半を占めた。
商品・サービス別で最も多かったのは「レンタル・リース・貸借」の1万2682件。全相談の8.7%を占め、その約8割が賃貸アパートに関するものだった。退去時の修理代や原状回復費用のほか、家賃の値上げを巡る相談が寄せられている。次いで、ブレーカーの無料点検や鍵の解錠、申請代行などを含む「役務その他」が1万768件、「商品一般」が1万381件だった。「商品一般」では、架空請求とみられる不審な電話やメールなどの相談が目立った。
中でも大幅に増えたのが賃貸住宅の値上げを巡る相談だ。賃貸アパートに関する相談は1万348件で、前年度の130.4%に増加。このうち家賃などの値上げに関する相談は1086件で、前年度の210.1%に急増した。
暮らしのトラブルでは、鍵や水回りの修理を巡る相談も増えた。「鍵の解錠サービス」は913件で前年度の131.6%。このうち、インターネット広告で見つけた業者に依頼してトラブルになったケースが85.3%を占めた。「トイレの詰まり解消等修理」も886件と前年度の124.1%に増え、高額な修理費などを請求されたケースが69.1%を占めた。
高齢者を中心に注意が必要なのが、不審な電気点検だ。契約している電力会社などを装った電気設備の点検や、それをきっかけにブレーカー(分電盤)の交換を勧められるトラブルは1483件に上り、前年度の310.3%と急増した。契約当事者の83.2%が60歳以上だった。
60歳以上の高齢者に関する相談全体も5万668件と前年度から7.4%増え、全相談の34.8%を占めた。相談が最も多かったのは、不審な電話などを含む「商品一般」で、「役務その他」「化粧品」と続いた。
一方、29歳以下の若者に関する相談は1万9008件で、前年度から13.4%増加した。全相談に占める割合は13.1%。賃貸住宅などを含む「レンタル・リース・貸借」が最も多かったほか、インターネット通販で「購入した洋服が届かない」「届いた商品が粗悪品だった」といった相談も多く寄せられた。
インターネット通販を巡るトラブルも依然として多い。相談は3万8050件に上り、SNS上の広告をきっかけに契約するなど、何らかの形でSNSが関係した相談の割合は26.2%だった。前年度から3ポイント上昇し、年代別では50歳代の相談が最も多かった。
SNSが関係した通販相談のうち、商品が届かなかったり、広告画面とは異なる粗悪品が届いたりするトラブルは3490件。前年度の165.0%に増え、SNS関連の通販相談の35.0%を占めた。
「定期購入」を巡るトラブルも高水準が続いた。インターネット通販で購入した商品の定期購入に関する相談は4921件。このうち化粧品が2108件、健康食品が1759件で、両者を合わせると全体の78.6%を占めた。
契約金額も高額化がみられる。金額が確認できた相談の平均契約購入金額は約116万円で、前年度から約9万円増えた。1000万円以上の契約に関する相談は1626件、このうち1億円以上は90件あり、前年度の58件から増加した。
相談件数は年代を問わず増えており、相談者では70歳以上が20.5%と最も多く、50歳代が18.4%、60歳代が14.6%と続いた。契約当事者でも70歳以上が22.1%で最多だった。また、20歳代以下と70歳以上では、本人ではなく家族や周囲の人が相談するケースもみられた。
消費生活を巡るトラブルは、従来の訪問販売などに加え、SNS広告やネット通販、住宅や生活インフラに関係するサービスなど幅広い分野に広がっている。今回の年報からは、若者から高齢者まで、それぞれの年代や生活場面に応じたトラブルへの注意が必要となっている実態が浮かび上がった。