自転車ハンドルで内臓損傷39件。子どもの腹部に重大な危険。外傷軽くても受診を

 自転車などで転倒した際、ハンドルが腹部に強く当たり、子どもが内臓損傷などの重いけがを負う事故が発生している。国民生活センターは10月7日、外見上は軽い打撲に見えても、体内で深刻な損傷が起きている可能性があるとして、保護者らに注意を呼びかけた。

国民生活センターが作成した注意喚起のチラシ

 同センターによると、医療機関ネットワークには2021年4月から2026年7月までの約5年4カ月間に、15歳以下の子どもが自転車などのハンドルで腹部等を打ち、内臓損傷などに至った事故情報が39件寄せられた。中には肝臓を損傷し、外傷性出血ショックを起こして緊急手術が必要になった事例もあった。
 こうしたけがは「ハンドル外傷」と呼ばれる。転倒や衝突などの際に、ハンドルの端が腹部に押し付けられ、狭い範囲に強い力が集中することで発生する。
 子どもは大人に比べて腹部の内臓が占める割合が大きく、肋骨も柔らかく未発達なため、内臓を十分に保護できない。このため、体の表面に大きな傷がなくても、腹部の内部では重大な損傷が生じるおそれがある。

 自転車事故では、転倒による頭部のけがや手足の骨折が注目されやすい。しかし、ハンドルが腹部に当たる事故は、見た目だけでは危険性を判断しにくいことが特徴だ。
 事故直後に子どもが自分で立ち上がったり、会話ができたりしても、重いけががないとは限らない。腹部を強く打った後に痛みが続く、吐き気がある、顔色が悪い、ぐったりしているなどの症状がみられた場合は、速やかに医療機関を受診する必要がある。
 また、事故直後には目立った症状がなくても、時間がたってから体調が変化する可能性がある。保護者は転倒時の状況を確認し、腹部を強く打った場合には、症状が軽く見えても医療機関に相談することが望ましい。

 事故防止には、子どもの体格に合った自転車を選ぶことに加え、ブレーキやハンドルなどの点検を行い、安全な乗り方を身に付けることが大切。特に、スピードを出し過ぎないことや、障害物を避ける際に急な操作をしないことなど、転倒や衝突を防ぐ行動が求められる。
 ヘルメットの着用は頭部を守るうえで重要だが、腹部への衝撃を防ぐものではない。国民生活センターの注意喚起は、子どもの自転車事故について、頭部だけでなく腹部の損傷にも目を向ける必要性を示している。

続きを読むには会員登録が必要です

ニュース記事の全文をお読みいただくには、会員登録(購読申込)が必要です。