「本人関与後退」を懸念、AI時代の消費者保護強化求める。個人情報保護法改正成立、全国消団連が声明

 改正個人情報保護法が7月10日の参議院本会議で可決・成立したことを受け、一般社団法人全国消費者団体連絡会(全国消団連)は7月13日、デジタル大臣や消費者担当大臣、個人情報保護委員会などに対し、声明を提出し、消費者保護のさらなる強化を求めた。


 今回成立した改正法は、デジタル化や人工知能(AI)の急速な発展を踏まえ、個人情報の利活用を促進するとともに、制度の見直しなどを図る内容。国会審議では、AIの発展に伴う個人情報保護のあり方やデータ利活用とのバランスについて議論が行われ、衆参両院で付帯決議も採択された。
 一方、全国消団連は声明の中で、「データ利活用の拡大に伴い、個人の権利利益を侵害するリスクは高まっている」と指摘。今回の改正には、AI開発や統計利用などを理由として本人の同意を不要とする例外規定の拡大や、要配慮個人情報の取り扱いの緩和、情報漏えい時の本人通知義務の緩和などが盛り込まれたことから、「本人が自らの情報利用を把握し、関与する機会が後退する恐れがある」と懸念を示した。
 また、新たに導入される課徴金制度についても、安全管理措置義務違反が対象外となっている点を問題視。近年発生している大規模な個人情報漏えいの多くは、安全管理体制の不備が原因であるとして、「十分な抑止効果は期待できない」と制度の見直しを求めている。
 さらに、全国消団連が以前から要望してきた「適格消費者団体による差止請求制度」や「集団的な被害回復制度」が改正法に盛り込まれなかったことについても、「違法・不適切な個人情報利用を迅速に止め、多数の消費者被害を回復する仕組みが不可欠」として、今後の制度整備を求めている。
 声明では、付帯決議の趣旨を踏まえ、本人同意不要の例外規定や課徴金制度の再構築、AI・プロファイリング規制の強化、子どもの個人情報保護の充実などについて、法の見直し時期を待たず速やかに検討を開始するよう要請。あわせて、今後策定される個人情報保護委員会規則やガイドラインについても、消費者団体を含めた公開の議論を行い、透明性の高い制度運営を実現するよう求めている。
 AIやビッグデータの活用が急速に広がる中、個人情報の利活用と消費者の権利保護をどう両立させるかは今後の大きな課題。改正法成立を1つの節目として、制度運用や追加的な法整備に向けた議論が引き続き注目される。


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