
私たちは毎日、食品や日用品を買ったり、インターネットでサービスを利用したりしています。その中には、消費者にとって不利な契約や、誤解を招く表示が含まれていることもあります。
しかし、そうした内容に疑問を感じても、一人で事業者を相手に裁判を起こすのは簡単ではありません。時間や費用がかかり、「自分一人が声を上げても変わらない」と感じる人も少なくないでしょう。その結果、消費者に不利な契約や誤解を招く表示が放置され、次の被害者が生まれてしまうこともあります。
そこで重要な役割を果たしているのが「適格消費者団体」です。内閣総理大臣の認定を受けた消費者団体で、消費者全体の利益を守るために活動しています。具体的には、「不当な契約条項」「不当な勧誘」「不当な表示」を行う事業者に対して、その行為をやめるよう求めることができます。これを「差止請求」といいます。
適格消費者団体は、次のような段階を踏んで活動を行います。
「ステップ1」問題の把握
消費者からの情報提供やインターネット上の広告・契約内容の調査などを通じて、不当な契約条項や誤解を招く表示がないかを確認します。
「ステップ2」事業者への話し合い(申入れ)
問題があると判断される場合、事業者に対して理由や根拠を示しながら改善や見直しを求めます。この段階で事業者が改善や見直しを行うこともあります。
「ステップ3」差止請求通知書の送付
申入れに応じない場合、事前に差止請求通知書を送付し、法的根拠に基づいて不当な表示や契約条項の使用停止を正式に求めます。
「ステップ4」差止請求訴訟の提起
それでも改善されない場合、裁判所に差止請求訴訟を提起し、不当な表示や契約条項の使用停止などを求めます。
「ステップ5」改善状況の確認・結果の公表
判決後も、不当な表示や契約条項が適切に是正されているかを確認します。そのうえで、改善結果をホームページなどで公表し、一連の活動の透明性と再発防止につなげます。
適格消費者団体は、一人では声を上げにくい消費者に代わって行動し、消費者被害の未然防止や拡大防止に重要な役割を果たしています。
適格消費者団体は、事業者に対して不当な勧誘や表示などの差止請求を行うことができますが、被害者に代わって損害賠償や返金を求めることは原則としてできません。
一方、「特定適格消費者団体」は、さらに一歩進んだ役割を担っています。全国に4団体あり、多数の消費者に共通する被害について、被害者に代わって返金などの金銭的回復を求める手続きを行うことができます。
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