高額教材トラブルで「全額返金」あっせん成立

オンライン家庭教師の巧妙手口に警鐘、東京都

 東京都は4月22日、安価なオンライン家庭教師の広告を表示して55万円もの高額教材を契約させられたトラブルについて、東京都消費者被害救済委員会(会長・宮下修一中央大学大学院教授)による紛争解決のあっせん案に双方が合意したと発表した。契約書の不備を理由にクーリング・オフを認め、事業者側に全額返金を命じる内容となっている。

 紛争の概要によると、東京都内の40代女性が、「1コマ3000円」というインターネット広告を見て、当時中学1年生だった子どもの無料体験授業を申し込んだ。WEB会議を通じた体験授業後、事業者側から「中学3年生までのテキスト代」として55万円の契約を求められたという。
 女性は、高額な費用に驚いたが、「2教科分の代金で4教科を教える」「添削指導サービスも含む」といった説明を受け、中学3年生までの総額であれば妥当と判断し、その場で申し込んだ。
 契約から10か月後、授業内容に満足できず解約を申し出たところ、事業者は「中途解約の返金はテキスト代の7%(約4万円)とする」と拒否。契約期間が1年以上残っているにもかかわらず、支払額のほとんどが戻らないことに対し、女性が消費生活センターへ相談した。
 同委員会は、同紛争を、「特定継続的役務提供」に該当すると認定。その上で、契約書に「添削指導サービス」の内容や金額の内訳が正確に記載されていなかった点を重視。法律で定められた重要事項の記載を欠く書面は、「有効な書面交付」とは認められないとした。これにより、本来の期限を過ぎていてもクーリング・オフが可能であると判断、事業者が授業料と教材費の全額を返金し、消費者が教材を返還する内容での和解を提示、双方がこれを受け入れた。

 東京都内の家庭教師に関する相談件数は、2023年度の62件以降、2025年度(2月末時点)は83件へと増加傾向にある。委員会は事業者に対し、教材費を伏せて安価な授業料のみを強調する広告は、「有利誤認」に当たる恐れがあると指摘している。
 東京都は、「契約はその場で即決せず、内容を家族と相談して検討してほしい」と注意を呼びかけている。

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