消費者庁は10月1日、公益通報者保護法に基づく通報対象の法律に、子どもへの性暴力を防止するための法律を追加する政令改正案を公表し、意見募集を開始した。学校や保育施設などで子どもを性暴力から守るための法令違反について、一定の要件を満たす通報者が公益通報者保護法による保護を受けられるようにする。意見の募集期間は10月30日まで。
今回、通報対象への追加を予定しているのは、「学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律」。2024年に成立した法律で、学校や保育施設などで子どもと接する業務に従事する人による性暴力を防ぐための仕組みを定めている。
消費者庁が公表した政令改正案の概要によると、国会における立法動向などを踏まえ、同法を国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法律として、公益通報者保護法の対象法令に追加する。
公益通報者保護法は、事業者内部の労働者などが、勤務先で発生した一定の法令違反を公益のために通報した場合、解雇や降格などの不利益な取り扱いから保護することを目的とする制度だ。
ただし、あらゆる法令違反の通報が保護対象となるわけではない。公益通報の対象となる法律は、同法の別表や政令によって定められている。
今回の改正は、その対象法令に子どもへの性暴力防止に関する法律を加えるもの。学校や保育施設などで働く人が、法律に違反する行為を把握した場合、法定の要件を満たして通報することで、公益通報者保護制度による保護を受けられる範囲が広がることになる。
子どもへの性暴力は、被害を受けた本人が周囲に被害を訴えにくい場合もあり、施設内で働く職員などによる問題の把握や通報が重要になる。通報者が不利益な扱いを恐れずに声を上げられる環境づくりは、被害の早期発見や拡大防止にも関わる。
一方、公益通報者保護法による保護を受けるには、通報内容や通報先などについて法律で定められた要件を満たす必要がある。対象法令への追加によって、全ての通報が無条件に保護されるわけではない。
政令改正案の施行日は、子どもへの性暴力防止に関する法律の施行日と同じ12月25日を予定している。
意見募集は政府の電子窓口「e-Gov」で実施しており、締め切りは10月30日23時59分。消費者庁は寄せられた意見を踏まえ、政令改正に向けた手続きが進められる。