モバイルバッテリー、半数超が保有経験。火災などの危険性84.5%が認知 購入時は「安全性」より「価格」

 モバイルバッテリーを「現在持っている」「過去に持っていた」ことがある人が全体の55.0%に上ることが、消費者庁が実施した「令和8年度第1回消費生活意識調査」で分かった。取り扱いを誤ると火災事故などの原因になる場合があることは84.5%が認知していた。一方、購入時に重視した点では「価格」が最多で、「安全性」を上回った。身近なリチウムイオン電池使用製品が幅広い年代に普及する一方、安全性に対する意識には製品や年代によって差がある実態が浮かんだ。

モバイルバッテリーの保有状況
モバイルバッテリーの保有状況(消費者庁資料から)

 調査は7月30日~8月3日の期間、全国の15歳以上の男女5000人を対象にインターネットで実施した。性別、年代、地域を人口構成比に応じて割り付け、今回は「リチウムイオン電池使用製品に関すること」を中心に聞いた。

 モバイルバッテリーを「持っている」と答えた人は44.5%、「持っていたことがある」は10.5%で、合わせると55.0%だった。「今まで持っていたことがない」は45.1%だった。
 年代による違いも大きい。現在保有している割合は10代が63.8%で最も高く、20代が57.1%、30代が47.5%と続いた。現在の保有と過去の保有を合わせた「保有経験」でみると、10代は72.3%、20代は70.6%となり、若年層では7割を超えた。一方、70代以上は43.0%で最も低かった。

 危険性についての認知度は比較的高かった。モバイルバッテリーは取り扱いを誤ると火災事故などの原因になる場合があることを「知っている」と答えた人は全体の84.5%。「知らない」は15.5%だった。
 ただ、危険性を知っている割合は70代以上が90.8%で最も高く、60代も90.7%に達した。これに対し、20代は72.0%で最も低く、30代も77.7%だった。モバイルバッテリーの保有経験が比較的多い若い年代で、危険性の認知度が相対的に低い結果となった。

 リチウムイオン電池はモバイルバッテリーだけでなく、さまざまな身近な製品に使われている。よく使用する製品について危険性を知っているか聞いたところ、スマートフォンは81.7%と最も高かった。携帯用扇風機は78.9%、携帯型ゲーム機などの玩具は77.8%、ノートパソコンやタブレット端末は75.7%だった。
 一方、コードレス掃除機・ロボット掃除機は52.8%で最も低かった。ワイヤレスイヤホン・ヘッドホンも58.4%、電気シェーバーは61.2%にとどまり、同じリチウムイオン電池を使用する製品でも危険性の認知には開きがあった。

 購入時に何を重視するかについても調査した。モバイルバッテリーを現在持っているか、持っていたことがある2746人に複数回答で聞いたところ、「価格」が51.2%で最多となった。「安全性」は36.3%で2番目、「性能」が34.8%、「メーカー」が29.6%と続いた。
 「商品のデザインや大きさ」は16.6%、「口コミや商品レビュー、評価点数」は12.8%だった。これに対し、「製造年」を重視した人は4.8%、「リコール情報」は3.6%にとどまった。
 モバイルバッテリー以外のリチウムイオン電池使用製品では、安全性の優先順位はさらに低かった。製品全体では「価格」が54.5%で最も多く、「性能」43.3%、「メーカー」40.3%、「商品のデザインや大きさ」19.1%と続き、「安全性(火災等の事故防止対策)」は9.0%で5番目だった。
 ただ、安全性を重視する割合は製品によって違う。ポータブル電源では33.9%、ポータブルスピーカーでは21.1%、電動工具では20.0%だったのに対し、ワイヤレスイヤホン・ヘッドホンでは6.5%、ノートパソコン・タブレット端末では7.7%、スマートフォンでは8.3%だった。調査からは、リチウムイオン電池を使う製品が日常生活に広く浸透する中、製品によって安全性への意識に大きな違いがあることも示された。

続きを読むには会員登録が必要です

ニュース記事の全文をお読みいただくには、会員登録(購読申込)が必要です。